[ニューバランスカップ]初芝橋本先制も大阪桐蔭が後半3発で逆転勝ち!
ゲキサカ / 2016年7月24日 1時24分
[7.23 ニューバランスカップ準決勝 大阪桐蔭高 3-1 初芝橋本高 J-GREEN堺S8]
冬の全国高校選手権へ向けてスタートを切っている強豪16校によって開催された「ニューバランスカップ」は23日に大会最終日を行い、大阪桐蔭高(大阪)と初芝橋本高(和歌山)との準決勝は3-1で大阪桐蔭が逆転勝ちした。
試合は3分に早くも動いた。立ち上がりから勢いのあった初芝橋本が左CKからCB大崎椋平のヘディングシュートで先制する。すぐさま反撃を開始した大阪桐蔭は7分にFW神崎大雅主将のチャンスメークからFW松浦享宏が決定機を迎え、12分にはコンビネーションで抜けだした神崎がGKとの1対1に。だが、初芝橋本GK濱田太郎のビッグセーブに阻まれると、13分にもMF西矢健人のヘディングシュートを濱田に1ハンドでセーブされてしまう。
初芝橋本はこの日、守備の中心であるCB安井裕亮をケガで欠く中での試合だったが、リードしたまま試合を進めていることもあってか、自信を持ったプレーが随所に見られて大阪桐蔭に対抗。相手を見ながら縦横にボールを動かして攻める大阪桐蔭の攻撃を大崎やCB赤田快斗中心に凌ぐと、MF朝倉丈一郎を起点にシンプルに相手の背後へボールを運びつつ、いい形でボールを奪うと一気にショートカウンターへ持ち込むなど相手を苦しめた。
それでも大阪桐蔭は、永野悦次郎監督に個々の責任感の部分や連動性を欠いたことを厳しく指摘されて迎えた後半にMF菊井悠介の2ゴールで試合をひっくり返す。2年生MFは8分に左サイドからのパスで抜けだして鮮やかにゴールを陥れると、25分には西矢のスルーパスから2点目のゴール。初芝橋本は阪中義博監督が「我慢できなかった。(昨年の川中や山本遼のように)苦しくなった時に何とかしてくれる存在がいない」と指摘したように、攻撃の中心として期待されるMF森永秀紀らが劣勢の中で立て直すことができなかった。
逆に大阪桐蔭は「まだまだなんですけど、継続して走り続けて相手を疲れさせることがボクの特長だと思っているので、最後まで継続させてできたことは良かったと思います」という神崎や菊井らが流れを引き寄せて逆転。終了間際にもカウンターから最前線まで走り切ったDF神戸康輔が右足でゴールを決めて3-1で勝利した。
神崎は「まだ各個人が自立出来ていなくてプレーに迷いがあったり、自分で行こうという積極性がなかったり。殻を破りきれていない」と指摘する。甘さが見せる部分はまだまだあるが、チームは今後、色々なポジションをテスト、チャレンジしてきた選手たちが自分のポジションを絞って選手権に向かっていくという。永野監督は「自分たちで自分を見つめきれていないと思う。自分をしっかり見つめて成長していく余地は何なのか。このまま自分はこのポジションでやり続けていいのかとか。自分の特長は何なのか、ウィークは何なのか。理解していなかったと思う。自分の良さは何なのかこの夏休みの中で理解させたい」。
それぞれが自分が一番力を発揮するためにどこで勝負するのか、真剣に向き合って、結論を出して冬へ向かう。神崎は「一人ひとりがそのポジションへの思いとか、役割を越えていくことであったり、結果を出していくという部分で気持ちが固まっていると思う。選手権ではいい形で臨んでいけると思います」。自力は間違いなくあるだけに、こだわって回答を出した個々の力を結集し、チーム力を引き上げて、悲願の選手権切符を勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)
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