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【タイ】中国伝統医学での治療がタイ人にも増え始めている

Global News Asia / 2015年3月28日 9時0分

泰国北京同仁堂ではその場で中国伝統医学医師による診断と処方箋発行が行われる。計量後に望めば煮出して1回分ごとにパッキングしてくれる。(高田胤臣 撮影)

 2015年3月26日、タイの中国伝統医学に基づいた漢方薬を紹介したい。

 タイでは2000年に中国伝統医学がタイ政府に認められ、中国伝統医学に基づいた医学部の創設や、総合病院に中国伝統医学関連の科が設置され、徐々にタイ人も中国伝統医学で健康になろうという人が増えてきている。

 中国伝統医学といえば鍼灸(しんきゅう)や推拿(すいな。中国整体)などがあるが、一般的にすぐに思い浮かぶものは漢方薬だろう。

 ここで注意したいのは漢方薬はあくまで日本での呼び方である点だ。日本の漢方医学(東洋医学)は中国伝統医学と起源を同じにしてはいるが、江戸時代の鎖国や現代の薬事法などの関係で独自に発展した。そのため、中国本土の中国伝統医学とは異なる診断や薬の処方が行われる。中国やタイでは漢方薬は中薬という。ただし便宜上、この記事内では中薬も漢方薬と呼ぶことにする。

 中国伝統医学は体全体をひとつのまとまりと考える。表には裏があるように、人体やすべての事象には陰と陽の表裏があり、バランスが崩れると体調不良になると考える。漢方薬はその素になる生薬を混ぜ合わせたものだ。生薬は植物だけでなく、動物や鉱物からも採取する。組み合わせによって効能の一部が強くなったり、弱くなる生薬の性質を巧みに利用して漢方薬の処方箋が作られる。

 タイは日本と違い、正統的な中国伝統医学が伝わっている。タイ最大の中華街、バンコクのヤワラー通り周辺には生薬販売店がずらりと並ぶ。中でも最も有名なのは北京に本店を置く『北京同仁堂』だ。ここは中国移民1世の創始者が開いた生薬店『福安堂』が元にあり、2世がタイ政府に中国からの生薬の輸入を働きかけマーケットができあがった。そして、3世が中国の同仁堂と提携し、タイでの中国産生薬の販売の先頭に立っている。

 バンコクにある同仁堂が他店と違うのは中国伝統医学の中国人医師が常駐し、その場で診断、処方箋を発行してくれる点だ。他店はタイ最大の中国伝統医学クリニックである『華僑報徳善堂付属華僑中医院』などが発行した処方箋を元にしか漢方薬を出せない。

 また、タイ国内の漢方薬用生薬は90%以上が中国からの輸入物で、残念ながら農薬などの問題で逆に健康を害する恐れが指摘されている。その点、同仁堂は本店が中国で栽培した生薬、華僑中医院は厳選された仕入れ先から集めたものを使用しているので安心だ。

 タイで健康に関するスポットと言えばタイ古式マッサージや女性向けのスパが思い出されるが、中華系タイ人も多いタイである。漢方薬もぜひ注目していただきたい。(ただし、生薬はそのまま日本に持ち込むと検疫の対象に引っかかったり、ワシントン条約に抵触する恐れもあるので注意)
【執筆 : 高田胤臣】

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