【新フォレスター ターボ試乗】見た目はよりプレミアムに。走りは定評あるスバル流
&GP / 2016年1月29日 21時0分
【新フォレスター ターボ試乗】見た目はよりプレミアムに。走りは定評あるスバル流
全国的に雪が降り、交通機関の混乱などが伝えられる季節になると、「にわかに輝きが増す!」かに見える路上のスバル車。ことに、スタッドレスタイヤを履いた六連星(むつらぼし)オーナーの方々は、なんとなく鼻が高い思いをしておられるのではないでしょうか。
堅実なつくりと強力な4輪駆動システム、その割にリーズナブルな価格設定で、特に北米市場での販売好調がニュースとなっているスバル。ラインナップの各モデルに、こまめに改良を加えることでも知られています。じっくりクルマを育てていくメーカーなんですね。
今回は、以前、クローズドコースで試乗したスバル「フォレスター」を一般道でドライブすることができたので、その印象を報告します。残念ながら(!?)ドライ路面でのドライブでしたが…。
■ターボ車らしい加速がちょっぴりうれしい
既報のとおり、マイナーチェンジを受けたフォレスターは“ぶつからない”性能が一段とアップしました。スバル自慢の“EyeSight(アイサイト)”は、前方を注視するステレオカメラがモノクロからカラーになった“バージョン3”に進化。監視できる範囲が、視野角、視認距離とも40%拡大しています。
50km/h以下で追突防止のための自動ブレーキが働くようになり、また、前走車のブレーキランプを認識しやすくなったため、追従機能付きクルーズコントロールの精度も上がりました。65km/h以上で走行中には、カメラが白線を確認して自車が車線から逸脱しないよう支援してくれるほか、新しい“アダプティブドライビングビーム”機能にも、EyeSight用カメラの高性能化が活かされます。
アダプティブドライビングビームとは、ハイビームで走行中に対向車や先行車を認識すると、ヘッドランプ内に設けられたシェードを使って無段階に照射範囲をコントロールする仕組み。高速走行時にはロービームの光軸を上げ、より遠くまでの前方視界を確保、なんてことまでしてくれます。ちなみに新しいフォレスターのヘッドランプには、光源にLEDを使い、ハイビームとロービームを1灯でこなす“バイファンクションプロジェクター”タイプが採用されました。
今回試乗したのは、フォレスターの最上級グレード「2.0XT EyeSight」。2リッターの水平対向ターボエンジン(280馬力/35.7kg-m)に“スポーツリニアトロニック”と名づけられたCVTを組み合わせたモデルです。価格は312万8760円。
オプションの“ヴェネチアン・レッドパール”(3万2400円)にペイントされた試乗車を前にした時、「アレ!? なんだか“プレミアム”SUVっぽいな」と感じました。人気車種ゆえの自信が外観にも表れるようになったのでしょうか…というのは(半分)冗談ですが、コの字型の新しいモチーフを使ったランプ類や、凝った形状の横桟が入った新しいフロントグリルなどが利いているのでしょう。シャキッとした印象です。
インテリアでは、シルバーとピアノブラックを組み合わせた加飾パネルが新しい。ステアリングホイールの下部スポークがシルバーに、また、センターコンソールのグリップ(本格SUVらしいですね)やドアハンドルが、触れた時のフィールに優れる革巻きタイプになり、新フォレスターのグレード感を高めています。
ステアリングホイールを握って走り始めれば、久しぶりの“ターボ車らしい加速”に、ちょっぴりうれしくなりました。3500回転くらいからトルクが厚くなり、ググッと力強くボディを押し出していく…。小排気量の燃費向上系ターボとは一線を画すフィールです。
2リッターの“DIT”ターボエンジンに組み合わされるスポーツリニアトロニックには、今回、ユニークな変更が加えられました。ドライブフィールを変更できる“SI-DRIVE”で最もスポーティな“S#(エス・シャープ)”モードを選択すると、無段階変速がウリのCVTであるにもかかわらず、ギヤ比が固定され、ギヤレシオのクロースした擬似的な8速ATに変身。ドライバーに加速を実感してもらうため、あえて変速に“段”を設けたこの機構、ドライバーの操作にクルマが分かりやすく反応してこそ運転する楽しさが生じる、というわけです。
前輪=マクファーソンストラット式、後輪=ダブルウイッシュボーン式のサスペンションもリファインを受け、路面の細かい凹凸を上手にいなし、一方、コーナリングでは粘り腰のロールを見せます。ショックアブソーバーやスプリングの見直しに留まらず、アーム類を取り付けるクロスメンバーそのものの剛性アップまで手掛けたところが、いかにも真面目なスバルらしい。ステアリングのギヤ比も15.5:1から14.0:1に変更され、ステアリングを切った時の車体の反応がクイックになりました。
さらに“フォレスターターボ”たるXTには、このグレードならではの“特権”があります。それは、カーブを曲がる際、必要に応じて内輪にブレーキをかける“VDC&アクティブ・トルク・ベクタリング”機能。ドライバーが知らないうちに、旋回を手助けしてくれるデバイスです。
個人的には「力強いターボモデルこそ最もフォレスターらしい」と思っていますが、実際の販売比率は全体の1割程度だとか。いわば、余裕を楽しむ贅沢バージョンなのでしょう。裏を返せば、それだけフォレスターを実用目的で購入するユーザーが多いということ。自然吸気仕様とターボモデルで共通の、220mmのロードクリアランス、25度のアプローチアングル、26度のディパーチャーアングル、そしてフルタイム4WD機構は、決して伊達ではないのです。
「そこまでハードに使わないよ…」という人にとっても恩恵大なのが、静粛性の向上。前後サイドウインドウのガラスを厚くしたり、防音・遮音剤を追加したりしています。以前「インプレッサ スポーツ」のハイブリッドモデルが登場した時にもリポートしましたが、その効果は意外なほど大きく、フォレスターの“プレミアム化”を加速させます。車内に侵入するロードノイズや風切り音が減るので、特に移動距離が長いドライバーにはありがたいですね。
デビューから3年が過ぎた4世代目フォレスター。今回の変更でますます磨かれました!
<SPECIFICATIONS>
☆2.0XT EyeSight
ボディサイズ:L4590×W1795×H1715mm
車重:1610kg
駆動方式:4WD
エンジン:1998cc 水平対向4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:280馬力/5700回転
エンジン最大トルク:35.7kg-m/2000〜5600回転
価格:312万8760円
(文&写真/ダン・アオキ)
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