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【趣味のためのクルマ選び】割り切りは必要だが案外使える!ルノー トゥインゴ

&GP / 2016年10月22日 18時30分

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【趣味のためのクルマ選び】割り切りは必要だが案外使える!ルノー トゥインゴ

「ルノー『トゥインゴ』、189万円から」というニュースを目にして、「オッ!?」と思ったクルマ好きも多いのでは? 意外とリーズナブルなプライス設定に、にわかに預貯金を確認してみたりして…。

今年2016年9月に日本で発売されたトゥインゴは、「ルーテシア」の下位に位置する、ルノーのボトムレンジを支えるモデル。ヨーロッパにおける“軽自動車”的な存在といえましょう。

本物(!?)の軽自動車がある日本の場合、コストパフォーマンスを追求するユーザーは、あまりトゥインゴには興味を示さないかもしれませんが、「『MINI』は多すぎるし、チンクエチェント(フィアット『500』)は小さいし、『ビートル』はファニー過ぎるかなぁ…」と考えていたガイシャ好きには、まさに「待ってました!」といったクルマであることは間違いありません。

輸入開始時には、限定モデルとして1リッター直列3気エンジン+3ペダル式5速MTの「サンクS」(169万円)も用意されましたが、レギュラーのラインナップは0.9リッター直3ターボ+6速AT(EDC:デュアルクラッチ式)のパワーパックのみ(2017年モデルからMT車もカタログに加わるとか)。

ベーシックな「インテンス」が189万円。キャンバストップを備えた、その名も「インテンス キャンバストップ」が、199万円となります。

■日常的に人や荷物を満載するなら別のクルマを!

トゥインゴのボディサイズは、全長3620×全幅1650×全高1545mmですから、ちょうどMINIと500の中間くらい。FF(フロントエンジン/前輪駆動)が当たり前のコンパクトカーの中にあって、珍しいRR(リアエンジン/後輪駆動)のレイアウトを採ります。

ルノー トゥインゴ

その理由は、RRにはフロントにエンジンという“ジャマ物”がないので、ステアリングの切れ角を大きく取れるから。実際、トゥインゴの回転半径は、4.3mという小さなもの。軽自動車もビックリです!(ちなみに、スズキ「ワゴンR」は4.4mです)。

小回りが利くありがたさは、トゥインゴに乗るたびに実感します。ちゅうちょなく細い路地に入れるのはもちろん、都市部に多い、敷地そのものや出入り口が狭い駐車場でも、ハンドルをクルクル回して、便利に停められます。フロントに重いエンジンがないので、ハンドルが自然に軽いのもいいですね!

RRレイアウトは、当然ながらドライブフィールにも影響を及ぼします。トゥインゴは、いわゆる“フレンチコンパクトの軽快さ”とはひと味違った、オシリの重さが特徴的。ステアリングは軽めですが、ハンドリングに浮ついたところはありません。あえて難をいえば、フロアが異例に高いので、少々腰高感があることでしょうか。視点が高くなるので、ボディが小柄な割に「見晴らしがきいていい!」ともいえますが。

さて、そんなトゥインゴを、趣味のクルマ、はたまた「おしゃれ雑貨店の営業用に使いたい!」と考えている方もいらっしゃいましょう。荷物はどれくらい詰めるのか? さっそくメジャー片手に、ラゲッジスペースを確認してみました。

RRレイアウトを採るクルマは、通常、フロントに荷室を設けますが、トゥインゴのフロントに荷室はありません。ノーズが長くなって、小回り性がスポイルされるのを嫌ったのでしょう。

後ろに回ってリアのハッチを開けると、エンジンルームの上に分厚い遮熱材を介して、荷室が設けられています。3気筒ターボは、天地を抑えるため斜めにレイアウトされますが、それでもリアバンパー上端は、地上から78cmという、やや高い位置。コンパクトSUVに匹敵する高さですね(奇しくも、マツダ「CX-3」と同じ数値です)。

ルノー トゥインゴ

荷室の奥行きは65cm。絶対的には大きな値ではありませんが、例えば、アウディ「A1」は同寸。フォルクスワーゲン「ポロ」は68cmですから、まずまず平均的。ただし、フロアが高い分、天地が限られていて、荷室カバーまでの高さは33cmに過ぎません。

ルノー トゥインゴ

ルノーの開発陣も、このあたりの弱点を認識していたとみえ、荷室カバーは柔らかい素材でできています。多少の無理、つまり、荷物が少々出っ張ってもカバーできますし、また、簡単に取り外し可能です。カバーを外してしまえば、高めの車高が奏功して、天井までの高さは63cm。十分な数値です。

また、リアシートの背もたれにも工夫があって、荷室側の金具で留めることで、より“立った”角度に固定できます。「あとちょっとで積めるのに」というシチュエーションで、奥行きを9cmほど拡大できるのです。

ルノー トゥインゴ

ご参考までに、いつもの撮影機材を積んでみます。国内線の機内に持ち込み可能なカメラバッグ、3段の脚立、長さ120cmのライトスタンドバッグ、三脚、レフ板セット、ふたつの大型ストロボ、そして、メイクさんが持参するバッグを模したトラベルケースです。

トゥインゴの荷室幅は102cmなので、120cmのライトスタンドバッグを搭載するために、リアシートを片方倒すことが確定です(さらに長いモノを積む場合は、助手席背もたれを前に倒せます)。トゥインゴの乗車定員は4名ですが、仕事で使うとなると、3名乗車になるわけです。脚立をリアシートに置くことで、そのほかの機材は無理なく積めました。荷物が多い場合の使い方は、軽自動車に準じますね。

ルノー トゥインゴ

せっかくなので、軽自動車よりちょっと大きい、やや趣味寄りのクルマ、ということで、スズキ「イグニス」と比べてみましょう。車体寸法は似通ったもの。

イグニスの荷室は、最大幅105cm(トゥインゴは102cm)、奥行き42cm(同65cm)、荷室カバーまでの高さ34cm(同33cm)、地上からバンパー上端まで74cm(同78cm)と、こちらも同じような数値が並びます。

イグニスは奥行きが短いようですが、リアシートをスライドさせることで59cmまで拡大できます。乗員と荷物のスペースを、搭載量によって案配できるのです。この機構、実は初代と2世代目のトゥインゴが採用していたんですね。3世代目のトゥインゴがRR化して失った“最も大きなもの”かもしれません。

もうひとつ。イグニスは、床下に深さ13cmほどの収納部がありますが、トゥインゴは、前述のとおり、下にエンジンがありますから、床下収納は不可能です(その分、リアシートの下に、ちょっとしたモノ入れが設けられています)。

ルノー トゥインゴ

ことほどさように“ラゲッジスペースの確保”という面では不利なRRレイアウトですが、(ここまで散々荷室チェックをしておいてなんですが)「だからどうした?」というルノー開発陣の姿勢が素敵ですね。

もちろん細かい工夫は多々ありますが、結局のところ、大きな荷物を積む時にはリアシートを倒せばいいだけですし、日常的に人や荷物を満載して使うつもりなら、「別のクルマを買え」ということです。

一方で、トゥインゴの小回りの良さやステアリングフィールの自然さは、クルマに乗るたびにうれしく感じられる。日常使いのコンパクトカーとして、とても大事なポイントです。

トゥインゴはコンセプトがしっかりしているから“割り切り”も大胆。リアドア内側の、簡素な樹脂製ドアハンドルや、上下に開閉できないリアウインドウ(後部を浮かすことは可能)に、フランス人の合理性が表れている…というのは、スイマセン、ちょっと褒めすぎかもしれませんね。

ルノー トゥインゴ

<SPECIFICATIONS>
☆インセンス キャンバストップ
ボディサイズ:L3620×W1650×H1545mm
車重:1030kg
駆動方式:RR
エンジン:897cc 直列3気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT(ツインクラッチタイプ)
最高出力:90馬力/5500回転
最大トルク:13.8kg-m/2500回転
価格:199万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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