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真夏に向けてなぜか売れる「甘酒」、実は夏バテ防止飲料

JIJICO / 2015年7月31日 18時0分

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真夏に向けてなぜか売れる「甘酒」、実は夏バテ防止飲料

江戸時代、「甘酒」は庶民の夏バテ防止飲料水だった

近年「甘酒」が女性を中心に幅広く注目を浴びています。その需要も年々増加し、今や夏の清涼飲料水の一角に顔を並べるほどです。甘酒のルーツは今から1300年以上も前の奈良時代、「日本書紀」に登場する「天甜酒(あまのたむざけ)」にあり、米と米麹を利用した「日本酒」のルーツともいわれています。その後、平安、室町時代と進み、江戸時代に庶民の間で大ブレークを果たしました。

甘酒といえば冬に酒粕を溶いて飲むのが一般的ですが、本来の「甘酒」とは違います。甘酒には、「酒粕」を使ったものと「麹」を使ったものの二種類あります。酒粕を使ったものでは、酒粕の濃さにもよりますが、アルコール分1%~8%ほど。中には、酒税法的にお酒に当たらない1%以下のソフトドリンクとして売られていることもあります。一方、江戸時代の「甘酒」は、酔いを楽しむアルコール分を含んだものとしてではなく、「麹」を使った栄養ドリンクとしての意味合いが強かったようです。

江戸時代、「甘酒」は広く庶民に広がっていた夏バテ防止飲料水でした。驚くなかれ、なんと武士の内職でも、甘酒を作っていたほどです。では、俳句で言う夏の季語でもある「甘酒」が、なぜ近年になって売れているのでしょうか。

ダイエットをはじめさまざまな効果から女性に人気

甘酒には多種多様の必須アミノ酸やビタミンB群、葉酸、食物繊維、さらには、オリゴ糖など多くのブドウ糖類が含まれています。その成分は栄養素的観点から「点滴」とほぼ同様であるところから、「飲む点滴」とまでいわれます。具体的効果としては、まずは悪酔い防止。実際に江戸時代では、飲酒の前に武士がこの「甘酒」を嗜むことは大事な「作法」とまでされていました。

オリゴ糖や食物繊維は、ご存じの通り「便秘解消」に大きな効果があります。また、メラニン色素の合成を阻む「コウジ酸」が含まれており、美肌効果が非常に高いのも女性にとっては見逃せない効能です。「フェルラ酸」は抗酸化作用で活性酸素を除去し、癌を防ぐ効果があり健康効果が高いとされています。また、夏の暑さで徐々に体力を奪われる「夏バテ」対策としてもおすすめ。ブドウ糖は、蓄積された疲労を回復させてくれる効果が抜群です。これらのバランスが「ダイエット効果」にも繋がり、女性に人気があるというわけです。

甘酒効果で夏バテ防止に取り組む

「発酵食品」である「甘酒」が納豆やヨーグルトとともに注目される理由が、これらの効果効能に由来しています。飲み方も、多種多様。夏場は冷やして飲み、豆乳に混ぜたり、果糖などを含む果物のジャムを溶かしたりと、さまざまな楽しみ方が出来るのも「甘酒」ならでは。出かける前にヨーグルトの様に朝食に飲んで一日の始まりの活力源にしてもいいかもしれません。この夏は相変わらずの猛暑続き、クーラーなどがなかった江戸時代を見本に「甘酒」効果で「夏バテ防止」に取り組んでみてください。

(鎌田 孝/利酒師)

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