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会見から見えてきた天然の人・小保方氏の素顔...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.39

TABLO / 2014年4月15日 12時27分

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 前回は小保方会見の前日に「みどころ」的なものを書いた。なので今回は自分なりの答え合わせを書きたい。

 先週水曜、ついに姿をあらわした小保方さん。 会見ではいくつか気になる言葉があった。

 まず「不勉強」という言葉だ。ハーバード大にも留学していた人に「不勉強でした」と言われたら、私たちはどうすればよいのか。

 でも逆に勇気も出た。言質が取れたとでも言おうか。

 というのは、小保方級の人が不勉強なら、私たちがあの会見を見てできることはひとつ。もちろん科学的な検証ではない。各人がそれまでの人生で培ってきた「表情だとか話し方から垣間見るその人への判断」、つまり「非科学的な直感」しかないのだ。それしか頼るものはない。

 それが証拠に小保方氏が不勉強を詫びて謝罪した瞬間から、あの会見はアカデミックとは反対のエモーショナルなものが混在するようになった。とくに受け手が。

「STAP細胞はあるのか、ないのか」という質問は科学的な質問にみえて、じつは「あなたは嘘をついているのか、いないのか」と聞いてるだけである。

 ウディ・アレンの映画のなかに「私を会員にするようなクラブには入りたくない」というセリフがあったが、科学の記者会見では「私にもわかりやすいような質問は信用しない」ということである。あの場にいるプロの記者が私(視聴者)と同じレベルになってしまった。

 あと、もうひとつのポイント。STAP細胞論文の「ねつ造」「改ざん」疑惑は、「悪意、もしくは故意があったのか?」がひとつの焦点となっていた。

 この「悪意とは何か?」は小保方問題の重要なキーだ。

 もちろん私は科学的なことを言いだすわけではない。あの会見を見て、感じたことがあるのです。

 小保方さんが会見場に入ってきて、席に座ってから報道陣を見まわしたときの「雨に濡れた子犬」のような眼差し。記者に質問されたら「ハイ、ハイ」と丁寧に受け答え、その人の顔を凝視してしゃべる。主張する。自分を信じてもらうために。

 あれを見て「懸命さをアピールするための演技」とか「したたか」とか、つまり「故意」だと考える人もいると思う。

 でもああいう人なのだろう。自分を信じ切っている人。自分の話を聞いてくれる人には夢中で話す人。

 具体例をあげよう。質疑応答でマイクの音声が入ってなくて小保方氏が地声になった瞬間があった。

 あそこはひとつの見どころだった。

 小首を傾げ「マイクが......」と小声で周りに尋ねる小保方氏。マイクを凝視。慌てる周囲。

 もし小保方氏が「会見仕様」で何らかの演技を過剰にしていたなら、あのイレギュラーな瞬間に素の表情がのぞいたはずだ。声のトーンも含めて。

 しかし表情はそれまでと変わらなかった。あの瞬間は「マイクだけ」熱心に見つめていた。質問者に対する凝視とまったく同じ。 「悪意」「故意」というより「天然」の人、と考えたほうがわかりやすい。

 天然というと無邪気さや明るさをイメージするが、ここでいう天然とは人を惑わす行為をナチュラルにしてしまうという意味だ。場合によっては悪意や故意よりタチが悪い。

 だから同僚や同性からわざとらしいと批判されても小保方氏の耳に入らないだろう。そして多くの女性に悪い予感がするように、ああいう振る舞いは男性を振りまわす。だって自分に興味を抱いてくれる人には一心不乱に「見て、しゃべってくる」のだ。

 俺に気があるのか? と勘違いした男は尋ねてみる。すると「あ、あ、私にはそんな気(故意&悪気)はなかったんです」と困惑した顔で言われる。そして気がついたら遠いところにオボちゃんは去っている。「自分の話」を聞いてくれる人のそばにいる。

「俺に気があるの?」を「STAP細胞ってホントにあるの?」に置き換えたのが今回の問題だったのではないか。

 天然・小保方現象。

 あの会見で、STAP現象というものがおぼろげにわかったような気がした。

Written by プチ鹿島

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。ニッポン放送「プチ鹿島と長野美郷 Good Job ニッポン」金曜18:00-20:50 ◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」

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