経済・ビジネス
「分散投資」はただのセールストーク、リスクヘッジにはならない- MONEYzine(2009年3月31日09時00分)
複数の金融商品に投資して、リスクヘッジする。「未曾有の金融危機」にこれは通用せず、すべての金融商品が同じような値動きをする、という事態に陥った。もはや、分散投資ではリスクヘッジにならないのだ。【バックナンバーはこちら】
■すべての商品が同じ値動きをし、分散投資がリスクヘッジにならない
投資の格言で「すべての卵を同じ籠に盛るな!」というのがある。それは1つの籠に盛った場合、万が一ひっくり返したら、すべてがパーになってしまうからだ。複数の籠に分けていれば、一度にすべての卵を失うことはない。そんな経験則から、この格言が生まれたのだろう。
同じ金融商品にすべての資産をつぎ込むと、「万が一」のときにたいへんな事態となる。一度にすべての資産を失い、無一文になってしまうのだ。だから投資の教科書では、適度に複数の籠に盛ることを勧めている。万一の事態が起きても、最低限の資産が保全されるからだ。
しかし、最近ではそのようなセオリーが通用しなくなっている。すべての金融商品が、同じ動きをするケースが増えているからだ。当の本人は「別の籠」に盛ったつもりになっていても、実際は「同じ籠」に盛っているのだ。現在の金融市場は、それぐらいお互いの市場が緊密な関係となっており、連動しやすくなっている。
だから、世界各地に資産を分散投資したからといって、同じ「地球号」に乗っていることには間違いない。地球号に乗船している限り「未曽有の金融危機」から逃れることはできず、自分だけ無傷でいられることはないだ。
■「投資する=全損になる可能性がある」と常に考えよ
そこで、次の図をご覧いただきたい。これは、典型的な分散投資である「4資産分散投資」を表現したものである。
国内海外株式国内株式海外株式債券国内債券海外債券
つまり、4つの籠(国内株式・国内債券・海外株式・海外債券)に盛り分けていれば(分散投資すれば)、一度に資産を失うことはないというものだ。
この説明は、よく投資信託の販売や証券営業などで用いられる。つまり、顧客を説得するための“常套句(セールストーク)”というわけだ。言葉巧みに顧客の資産を動かすことによって、手数料や信託報酬を得ようとしているのである。
だが、「分散投資して安全」ということは決してない。そもそも、資本主義経済という大前提が崩れれば、いとも簡単にこのロジックは破壊されてしまうのだ。お金という、人々の信頼によって成り立っている“紙切れ”が、正真正銘の“紙切れ”になることだってあるのだ。
だから、「投資する=全損になる可能性がある」と常に考え、相場と対峙しなければならない。でなければ、相場に呑まれて終わりである。相場が牙を剥いて、あなたの資産を奪いにくるのである。
ここで先ほどの表に戻ることにしよう。(次ページへ続く)
黒岩 泰[著]
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同じ金融商品にすべての資産をつぎ込むと、「万が一」のときにたいへんな事態となる。一度にすべての資産を失い、無一文になってしまうのだ。だから投資の教科書では、適度に複数の籠に盛ることを勧めている。万一の事態が起きても、最低限の資産が保全されるからだ。
しかし、最近ではそのようなセオリーが通用しなくなっている。すべての金融商品が、同じ動きをするケースが増えているからだ。当の本人は「別の籠」に盛ったつもりになっていても、実際は「同じ籠」に盛っているのだ。現在の金融市場は、それぐらいお互いの市場が緊密な関係となっており、連動しやすくなっている。
だから、世界各地に資産を分散投資したからといって、同じ「地球号」に乗っていることには間違いない。地球号に乗船している限り「未曽有の金融危機」から逃れることはできず、自分だけ無傷でいられることはないだ。
■「投資する=全損になる可能性がある」と常に考えよ
そこで、次の図をご覧いただきたい。これは、典型的な分散投資である「4資産分散投資」を表現したものである。
国内海外株式国内株式海外株式債券国内債券海外債券
つまり、4つの籠(国内株式・国内債券・海外株式・海外債券)に盛り分けていれば(分散投資すれば)、一度に資産を失うことはないというものだ。
この説明は、よく投資信託の販売や証券営業などで用いられる。つまり、顧客を説得するための“常套句(セールストーク)”というわけだ。言葉巧みに顧客の資産を動かすことによって、手数料や信託報酬を得ようとしているのである。
だが、「分散投資して安全」ということは決してない。そもそも、資本主義経済という大前提が崩れれば、いとも簡単にこのロジックは破壊されてしまうのだ。お金という、人々の信頼によって成り立っている“紙切れ”が、正真正銘の“紙切れ”になることだってあるのだ。
だから、「投資する=全損になる可能性がある」と常に考え、相場と対峙しなければならない。でなければ、相場に呑まれて終わりである。相場が牙を剥いて、あなたの資産を奪いにくるのである。
ここで先ほどの表に戻ることにしよう。(次ページへ続く)
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