トランプ氏が英首相と会談 安倍首相は鳶に油揚げさらわれた

NEWSポストセブン / 2017年1月30日 16時0分

写真

鳶に油揚げをさらわれた安倍首相

「できるだけ早く再びお目にかかり、日米同盟の重要性を世界に発信したい」──トランプ大統領の就任に際してこう祝辞を送った安倍晋三首相だが、その裏では赤っ恥をかかされていた。

 各国が競い合うトランプ大統領との首脳会談レース。日米首脳会談は2月10日に実施される見込みだが、“予選”では最初に面会して得意顔になった安倍首相は、外務省に「1月27日首脳会談」の日程を指示して“本戦”でも1番乗りに意欲満々だったという。

 首相のスピーチライターとして知られる谷口智彦・内閣官房参与はワシントンで開かれたセミナーで、「1月下旬に安倍首相が再び訪問する計画が進められている。おそらくここワシントンでもトランプ氏と公式に会談することになる」と予告(昨年11月の会談はニューヨークのトランプタワー)。自民党執行部にも「1月27日か28日」の首脳会談を前提に国会日程を組むように指令が出されていた。

 そのうえで、官邸は年明け早々、外交担当の河井克行・首相補佐官を訪米させ、政権移行チームに「早期の首脳会談」を働きかけ、外務省は佐々江賢一郎・駐米大使がホワイトハウス上級顧問に就任したジャレッド・クシュナー氏(トランプ氏の娘婿)らにアプローチした。

 ところが、1月中旬になっても色よい返事がなかった。杉山晋輔・事務次官ら外務省幹部は記者から首相の訪米日程を質問されても困った表情で黙ってクビを振るばかりになった。

「総理は苛立って『あれだけ早くから(首脳会談の)日程を組むようにと言っていたのに、外務省はどうしてできないんだ』と怒りをぶつけていた」(官邸筋)

 そこに首相の神経を逆なでする情報が舞い込んだ。大統領就任式翌日、米国の大統領報道官が英国のメイ首相との会談決定を発表したのだ。しかも、その日は安倍首相が“希望”していた1月27日。鳶に油揚げをさらわれたのである。

 そこからの官邸の対応は、何とも白々しくなった。官邸詰め記者が呆れた言い方をする。

「政治日程にまで組み込んでいた首脳会談が“キャンセル”になった途端、官邸や外務省の幹部は“1月会談の計画なんてもともとなかった”と言い出した。恥をかかされたのを隠したいんでしょう」

 直接の会談どころか、電話会談すら後回しにされていた。これまでの日米間では、新大統領や新首相が誕生するとただちに電話会談を行なうのが恒例だった。

 ところがトランプ氏はメキシコのペニャニエト大統領、カナダのトルドー首相を皮切りに、インド、エジプトなどの首脳に自ら電話を入れているが、日本にはマイケル・フリン大統領補佐官から谷内正太郎・国家安全保障局長に挨拶があっただけだ。ようやく1月28日に電話会談が実現し、首脳会談の日程が決まった。

 トランプ氏にしてみれば、「安倍首相とは会ったばかりだから急いで連絡する必要はないだろう」という感覚だったのかもしれないが、誤算続きの官邸では「トランプ氏はなかなか手強い」(菅義偉・官房長官)という弁解じみた声まで上がった。

※週刊ポスト2017年2月10日号

NEWSポストセブン

トピックスRSS

ランキング