ノルマが高すぎてつらい。どう受け止めて挑むべき?
プレジデントオンライン / 2016年9月26日 6時15分
仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。
問題:ノルマが高すぎて、正直つらい。どう考えて挑むべき?
■京セラセオリーなら――スキル磨きは未来進行形
上司から高すぎる目標を提案されてあぜんとするケースがある。ビジネスパーソンは、いっけん無謀に思える目標をどう受け止めるべきか。
京セラの山口社長は、高い目標設定に肯定的だ。
「いつかエベレストに登るんだと目標を掲げれば、それが潜在意識に入ってきて、いずれ本当に登れるようになります。実際、京セラは京都の小さな町工場にすぎませんでしたが、創業者の稲盛が『日本一、世界一に』と言い続けているうちに、本当にある分野において日本や世界で一番になりました」
しかし、あまりに高い目標だと、どうせ達成できるはずがないという諦めにつながらないだろうか。
「現実離れしているように感じるのは、現在の自分の力を基準にしているからです。京セラには『能力を未来進行形でとらえる』というフィロソフィがあります。能力は進化するものであり、いまはできないことでも、1週間後にはできるようになっているかもしれません。そう考えれば、どんなに遠い目標もいずれは達成できると信じられるでしょう」
期日までに目標を達成できる見込みがなくても、途中で投げ出さないことが大切だ。
「目標達成をゼロかイチかで考える人は、できないと思った瞬間にすべてを放棄してしまいがちです。目標達成が難しければ、期日までに何割ならできるのか、期日をどれだけ延ばせば達成できるのかを考えて、上司に相談すればいい。目標を再設定してもらえるかもしれません」
■セブン思考なら――目標は“希望”である
セブン&アイグループも、掲げる目標は高い。01年にATMサービスを主とするセブン銀行(当時、アイワイバンク銀行)を設立。金融庁に提出した計画は、3年で黒字化。前例のない業態であり、銀行業界では本当に黒字化できるのかと危ぶむ声がしきりだった。
不安視する声をよそに、3年目に黒字を実現して、5年目には累損を一掃した。実現困難に思える目標を次々にクリアしていったが、セブン銀行代表取締役会長の安齋隆氏は、「目標を必要以上に意識したわけではない」と振り返る。
「目標や夢は意識しすぎると重荷になって、それに振り回されるようになります。だから、僕は目標を“希望”と考える。そうすれば高い目標にも怯むことなく向かっていけます」
一方、セブン-イレブンの鎌田氏は、目標が適切かどうかはお客様の変化から客観的に判断するという。たとえば最近、家飲みが流行の兆しを見せているが、部下が「家飲み向け商品を開発してこれだけ売りたい」と高い目標を掲げて熱意をアピールしてきても、無条件には承認しない。
「家飲みは何人で飲むことが多いのか、外で飲むのが100なら家飲みはどれくらいなのかといった実態がわかっていないと、適切な目標を立てることはできません。実態を知るには、お客様がお酒を飲んでいる姿を見ないとダメ。それをせず、マスコミなどで報じられる情報を鵜呑みにして目標を立てると、失敗します」
市場の変化を読み取れているなら、高い目標を持たせて挑戦させる。うまくいかなければ計画を見直す。
「お客様の変化をつかんでいるのに目標を達成できないのは、目標が高すぎるせいではなく、計画自体が不十分だったり、計画をきちんと実行できていないから。どこが不十分なのかをチェックして、もう一度挑戦すればいい」
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京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
セブン銀行会長。1963年、東北大学法学部卒業後、日本銀行入行。2001年にアイワイバンク銀行(現セブン銀行)設立、社長に就任、10年から現職。
セブン-イレブン・ジャパン執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。
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(ジャーナリスト 村上 敬 的野弘路、尾関裕士=撮影)
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