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集中力のない人は、「サンドイッチ原理」でハイパフォーマーになれる

プレジデントオンライン / 2017年1月23日 9時15分

「仕事にやる気が出ない」「もっと頑張らなくては」──。こんな悩みを抱えている人は多いのでは。今大ブームのアドラー心理学は、無理に頑張らなくても、自分のやる気を引き出せる方法を教えている。やる気をなくしてしまった7つの症状別に「やる気が湧く行動習慣」を紹介していく。

(2)集中力分散型

■実はあなどれない時間割の効用

やるべきことが山積しているのはわかっていても、気が散って一つの仕事に集中できない――。そんな人は実はやる気がある証拠だ。全方位的にやる気が溢れてしまっているために収拾がつかなくなっているだけで、少し交通整理をしてあげれば、ハイパフォーマーになれる可能性を秘めている。ポジティブに捉えよう。

こうした人には、メンタルコーチとして活躍する平本あきお氏がいうように、まず気になることをすべて付箋に書き出そう(参照記事:http://president.jp/articles/-/21109)。仕事でもプライベートでも、最初の段階では分類不要。少しでも気になっていることを書き出してみる。すると、思いのほか数が少ないことに気づくはず。「多くの人は、頭の中で、あれもこれもやらなきゃ! と思っているだけで、紙に書いて可視化してみると案外少ないもの」だという。見えていないことで混乱しているだけなのだ。

いったんすべて書き出したら、そこで初めて分類してみる。「◯◯さんにメールしなきゃ」「部長への報告がまだだった」といったことも、要は「Aプロジェクトの進捗確認」と括れることもある。すると、「明日までにやることが20個もある」と焦っていたのが、実は「まとめてみると、案件数としては3つだな」と気づく。こうして「今日すぐに片付けるべきこと」がスッキリ整理されれば、自ずとやる気が湧いてくる。見えないものにやる気が湧かないのは当然なのだ。

いったん落ち着いて仕事に集中し始めたとしても、次から次へと、「あ、そうだ。あれもやらなきゃ」と瞬く間に混沌としてしまうのが集中力分散型の特徴。だが、心配しなくていい。そんな人は、「今はこれをやる」と半ば機械的に強制させる仕組みを使おう。「時間割」だ。

子供は大人よりはるかに気が散りやすい。勉強より遊びたいのは当たり前。それでも毎日一定の勉強をこなすことで学力を育めるのは、時間割という強制装置のおかげだ。

どんな職種のビジネスパーソンでも、毎日確認すべきことや週の後半に発生しがちな業務など、仕事の流れにはある程度のパターンがあるはず。そうした「ルーティン化」しやすい業務をあらかじめ組み込んだ時間割をつくろう。たとえば「木曜日の午前中は翌週のアポイントを整理」などと決めておけば、木曜に出社したとき、何から手をつけようかそわそわする必要がなくなる。集中力分散型にとっては、ルーティンをいかに習慣化するかがカギとなる。

■集中力が切れがちならサンドイッチ原理で対処

「集中力がないことは決して欠点ではない」と指摘するのはアドラー心理学を使った研修やカウンセリングで定評のある岩井俊憲氏。気が散りやすいタイプを自認する岩井氏は、「集中力がない=散漫力がある」というポジティブな見方を示す。そのうえで、散漫力を生かしたアプローチを教えてくれた。

あるとき、勉強に集中できないと相談に訪れた大学生に、岩井氏は机の上に3冊の教科書を置くように勧めた。1教科に長時間集中できないのはわかっているのだから、20分で飽きたら次の本へ、次々目移りすればいいと指導したという。いわばマルチタスク型の勉強法だ。

この方法を使えば、どんなに集中力のない人でも、複数のプロジェクトをバッサバッサとさばいていくことができるだろう。特に効果があるのは、岩井氏が「サンドイッチ原理」と呼ぶアプローチ。着手すべき仕事の中でも、朝一番は、最も気持ちの乗りやすいものから始めて勢いをつけるのがコツ。飽きてきたら、すぐ次の仕事に移ればいい。順繰りに複数の仕事を並行して進めながら、終業時間間際に再び好きな仕事に戻って一日を終える。そうしてサンドイッチのように好きな仕事で挟むことで、面倒に感じる業務の倦怠感が薄らぎ、実に気分よく仕事ができる。

最後に、年齢や職種を問わず、誰にでもお勧めの集中力アップ法を、行動イノベーションの専門家である大平信孝氏に聞いた。おへそを意識してお腹をへこませると背筋が伸びるため、俄然、集中力が増すという。「背骨は第二の脳とも呼ばれ、大事な神経がたくさん通っている。そのため背筋を伸ばすとパフォーマンスが高まる」というのだ。注意力が散漫になりがちな人は、日頃猫背になっていないか気をつけてみよう。

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平本あきお(ひらもと・あきお)
チームフロー代表取締役、メンタルコーチ。東京大学大学院修士課程修了。米国の心理学専門大学院(アドラー心理学)でカウンセリング心理学修士課程修了。
 
岩井俊憲(いわい・としのり)
ヒューマン・ギルド代表取締役、中小企業診断士、上級教育カウンセラー、アドラー心理学カウンセリング指導者。カウンセリング、カウンセラー養成や公開講座を行う。
 
大平信孝(おおひら・のぶたか)
アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。独自に開発した「行動イノベーション」により、日本大学馬術部を2度の全国優勝に導くなど活躍。
 

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(小島 和子 大沢尚芳、榊 智朗、柳井一隆=撮影 教えてくれる人:平本あきお、岩井俊憲、大平信孝)

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