中小企業や零細企業にとって、今最も恐ろしいのは未払賃金問題!?
相談LINE / 2015年4月28日 22時30分
一般に、会社と従業員の関係は対等ではないと言われています。何故なら給料を払う立場である会社には、従業員が生活をしていく上で必要不可欠なお金の差配を握っている強みがあるからです。
もしも会社から不条理な要求をされた場合、「断ったら給料が下がる」や「クビにされてしまう」などの心配がでてしまうと、誰も会社に対してものが言えなくなってしまいます。そこで憲法28条では労働者に団結する権利、つまり労働組合を認め、労働法では争議権行使の一つとして、いわゆるストライキも行うことが可能です。
今回は、労働組合やストライキ、ブラック企業問題などに触れながら、中小・零細企業にとって最も恐ろしい問題となりつつある未払賃金の問題を、高橋和央弁護士に聞いてみました。
■労働条件改善の武器であるストライキ。法的には全く問題なし?
「正当なストライキは、労働者の権利ですので、ストライキをしたことにより法律上の責任を負わされないとされています。しかし、実際には、『正当なストライキ』か『正当でないストライキ』かが事前に明確に判断できない場合もあります」(高橋和央弁護士)
「ストライキに参加したことで企業側から責任を追及された場合、裁判でストライキの正当性を争い、最終的には労働者の言い分が認められる判断がでたとしても、裁判で争っている間、事実上、労働者はとても不安定な地位におかれることも覚悟しなければなりません」(高橋和央弁護士)
ストライキは、その間給料がでないことが原則になっていますので、当然かもしれません。
■そもそもストライキするくらいなら、さっさと転職したほうがまし!
「終身雇用を前提に、『一生この会社で働くんだ』という意思を持った労働者であれば別ですが、最近は、『そんなブラック企業は辞めて転職先を探す方がよい』という考え方も多く、ストライキを武器に企業と闘い労働条件を改善していくという考えを持つ人が少なくなっているように感じます」(高橋和央弁護士)
「もっとも、このことは、必ずしも企業側が有利になったということではありません。」(高橋和央弁護士)
「最近は、円満退職したはずの元従業員から未払賃金の請求を受けるという事案が目立っています。例えば、時間外手当の計算が法律の基準を充たしていなかったようなケースでは、全ての従業員に対して、一斉に過去の時間外手当の不足分を支払うとなると、中小企業では会社が倒産してしまうような莫大な金額になることも珍しくありません」(高橋和央弁護士)
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「ジェットスター・ジャパン」でストが頻発する理由。ライバルのLCC・ピーチとの違いとは【訂正アリ】
日刊SPA! / 2024年4月18日 8時50分
-
新卒の社会人ですが「入社1ヶ月で辞める」のは、今後のためにもやめるべきですか? 営業職ですが「名刺交換100枚するまで帰って来るな」など言われ、明らかにブラックとしか思えないです…
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月13日 2時10分
-
普通に退職したはずが、なぜか「懲戒解雇」になっていて退職金が支払われない!? こんなのアリ!? 対応方法についても解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月31日 5時20分
-
仕事があまりに辛かったため、残業代の精算など気にせず退職しました。今からでも残業代の請求はできるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月28日 10時20分
-
2,000万円のはずが…定年直前にまさかの“退職金0円”の悲劇。月収40万円の勤続37年・59歳大卒会社員「えっ、さすがになにかの間違いでは」【社労士の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月27日 11時30分
ランキング
-
1いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由 キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 18時10分
-
2東京円一時1ドル154円87銭、34年ぶり円安水準を更新…経団連会長「円安過ぎる」
読売新聞 / 2024年4月23日 20時39分
-
3【要注意】自宅に「エコキュートの無料点検をします」と突然の来訪! 悪徳業者の「詐欺」の場合もあるの? 正規業者との見分け方や注意点を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月22日 5時0分
-
4リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時30分
-
5毎朝スタバのコーヒーを飲む上司。コンビニの「100円」コーヒーを買う場合と比べ、年間でどれだけ多くの金額を払っているのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月22日 11時20分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください