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住所や勤務先等の情報が垂れ流しになる裁判と個人情報保護法との整合性は?

相談LINE / 2016年5月24日 20時30分

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裁判は、原則公開されており、傍聴も誰でも可能だ。御覧頂いている方の中にも傍聴の経験者はいるだろう。傍聴は、まず裁判が開かれている裁判所に行く。すると受付には開廷表というものがあるので、そこに明記された事件名や被告人名、審理の段階などの情報を元に傍聴したい裁判を選ぶ。そしてあとは法廷に入るだけ。至ってシンプルな手続きだ。
さてそんな裁判傍聴であるが、初めて傍聴した方から、しばしば些細な疑問が出てくる。それは裁判で明らかにされる住所や勤務先等の情報と個人情報保護の整合性についてである。先程触れたように、開廷表では事件名も明らかになっている。その事件次第では、個人情報の開示が何らかの弊害を生む可能性があるのではないだろうか、というのがその疑問の趣旨だ。そこで今回は裁判で明らかになる個人情報と、個人情報保護法との整合性ついて星野宏明弁護士に伺った。

■憲法 > 条約 > 法律 > 命令 > 政令 > 府省令

「裁判の公開は、憲法上の重要な制度であるのに対し、個人情報保護は、法律で政策的に保護内容が定められるものであって、当然前者が優先します」(星野宏明弁護士)

「仮に、裁判で当事者や関係者の情報が公開されることがあっても、憲法上の要請という正当な理由があるので、違法にはなりません」(星野宏明弁護士)

日本国憲法は、日本国民であれば、必ず守らなければならない最高のルールである。つまり憲法は、日本に存在するありとあらゆるルールのどれよりも優先される。そこには当然の事ながら、法律も含まれる。

■性犯罪などは一部秘匿が認められる

もしも、個人情報の開示によって弊害の発生が明らかとなる場合はどうだろうか。

「個人情報開示により著しい弊害(被害者への報復等)がある場合には、例外的に部分的に情報の秘匿が認めれています(裁判はあくまで公開です)」(星野宏明弁護士)

裁判は原則公開だが、そこで明かされる個人情報によって二次被害の発生の可能性が高い場合は、一部秘匿となるようだ。わかりやすいのは性犯罪ではないだろうか。

ちなみに裁判の傍聴に撮影と録音は認められていない。これは証人に不当な圧力をかける原因となったり、法定秩序を乱す恐れがあるためだ。もしも傍聴にいかれる方は、この点についてはお気をつけいただきたい。

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