転職サービス「doda」を提供するパーソルキャリアの調査機関「Job総研」は、2024年10月3日に282人の社会人男女を対象とした「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜」を発表した。
景気の悪さを実感する社会人 「娯楽などに気軽にお金を使えない」が66.0%に
この調査は、自民党総裁選で新首相が誕生したことにより、今後の経済対策に改めて注目が集まっているなか、実質賃金は直近プラスに転じたものの、26カ月連続のマイナスを記録し(厚生労働省の毎月勤労統計調査より)、賃上げが物価高に追いついていない状況は明らかとなっている。
そこで、現在の景気への印象や賃上げ実感の有無、また現在の消費意欲や景気不安の有無とその理由、さらに景気不安による結婚・出産意欲への影響とその年代別・男女別割合、そして総裁交代による景気回復への期待及び期待する項目などを調査した。
調査ではまず、「現在の景気への印象」を尋ねた。すると、「景気の悪さを実感する」が74.2%を占めた。内訳は「景気の悪さをとても実感」が20.6%、「景気の悪さを実感」が26.6%、「どちらかといえば景気の悪さを実感」が27.0%だった。
理由をきくと、「娯楽などに気軽にお金を使えない」が66.0%で最多。次いで「自身の節約志向が強まっている」が46.9%、「外国人観光客の増加」が28.2%という結果だった。
つぎに、「現在の賃上げの実感」を聞くと、「実感がない」と回答した人が56.8%で過半数を占めた。内訳は「全く実感がない」が34.8%、「実感がない」が12.1%、「どちらかといえば実感がない」が9.9%だった。
さらに、男女別の回答では「賃上げ実感がない」と答えた人は女性の方が多く67.0%(全く実感がない:44.3%、実感がない:13.4%、どちらかといえば実感がない:9.3%)、男性は51.4%(全く実感がない:29.3%、実感がない:11.6%、どちらかといえば実感がない:10.5%)だった。
続いて現在の消費意欲を聞くと、「消費意欲がある」と回答した人が54.6%で過半数を占めた。内訳は「とても消費意欲がある」が4.2%、「消費意欲がある」が12.8%、「どちらかといえば消費意欲がある」が37.6%だった。
また、消費意欲があると回答した154人にその理由を聞くと、「購入したいものがある」が42.2%で最多。次いで「普段から必要品のみ購入している」が31.8%、「生活水準を変えたくない」が30.5%だった。
なお、この調査は現在仕事をしているJobQ Town登録者の男女20~50代の282人を対象に、2024年8月28日〜9月2日、インターネットで行った。