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中国、外資企業への影響懸念=邦人襲撃、「偶発性」を強調

時事通信 2024年6月28日 20時45分

 【北京時事】中国江蘇省蘇州市で日本人母子らが刃物で襲撃され、止めようとした中国人女性が死亡した事件で、同国政府は在住外国人や外資企業に不安が広がり、対中投資が一段と冷え込む事態を懸念している。「偶発的事件」(外務省報道官)であることを強調し、沈静化を急ぐ構えだ。

 「中国は安全な場所だ。今回の事件は極端なケースであり、代表的な事例ではない」。共産党機関紙・人民日報は28日、亡くなった女性を追悼する記事でこう主張した。その上で「すべての外国人の安全を守る」とする外務省報道官の発言を紹介。「対外開放を進めるという扉が閉じることはない」とも強調した。

 中国では今月上旬にも、東北部の吉林省で米大学教員らが刺される事件が発生。外国人が被害者となるケースが続いたことから、駐在員の家族を中心に、中国で生活することへの「不安が高まっている」(日系大手メーカー)。

 世界の対中直接投資はこの2年で10分の1の水準に縮小した。北京駐在の日系企業幹部は「中国政府は今回の事件に危機感を強めているはずだ」と分析し、今回の事件は「新たなマイナス要素になる」と予想する。日中関係筋は「中国への敷居が、心理的に高くなってしまう」と述べ、中国への関心が下がることなどに懸念を示した。 

[時事通信社]

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