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茂木氏、「ポスト岸田」へ地方行脚=他派若手と会食、知名度が課題―自民党

時事通信 2024年7月14日 19時1分

 自民党の茂木敏充幹事長(68)が「ポスト岸田」をにらみ、地方行脚や他派閥の若手らとの会食に積極的だ。ただ、幹事長の立場で「岸田降ろし」に加担したと見られれば党内で反発は必至。微妙な立場を意識してか、9月に想定される党総裁選への具体的な対応には踏み込まない曖昧戦略を堅持している。

 茂木氏は14日、福島県西郷村で開かれた会合に、同県を地盤とする安倍派の菅家一郎氏(衆院当選4回)、上杉謙太郎氏(同2回)と共に出席。「円安、物価高、人口減少の問題などさまざまな課題解決にも一緒に取り組んでいきたい」と訴えた。自ら率いた茂木派以外にも影響力を浸透させる狙いがうかがえる。

 茂木氏は派閥裏金事件で党内が揺れた通常国会の合間にも、事件の当事者だった安倍派の若手・中堅議員らと会食を重ね、「議員宿舎での『部屋飲み』にも顔を出した」(若手)。茂木派の解散を決めた一方、首相経験者の麻生太郎、菅義偉両氏とも節目に会い、党内情勢を巡って意見を交わしている。

 6日には岸田文雄首相の地元・広島県に乗り込み、東広島市で女性や学生との対話集会に参加。お手製のお好み焼きを振る舞った。「最近、若手(議員)から『意外と敏充』と言われている。料理もそこそこ(できる)」と話し、「親しみやすさ」や「意外性」をアピールした。

 課題は世論調査での人気の向上だ。時事通信の7月の調査で「次の総裁にふさわしい議員」の首位は石破茂元幹事長(22.1%)で、茂木氏は1.1%の8位。党内は、秋以降の衆院解散・総選挙を意識して「選挙の顔」選びを重視している。麻生派若手は「茂木氏は知名度も低い。今回は優秀さより、とがった人が求められている」と話した。

 首相が総裁再選に意欲をにじませる中、政権を支えるはずの幹事長が対抗馬となる動きを強めれば「令和の明智光秀」(自民筋)との評は避けられない。茂木氏は「光秀にはならない」との原則を崩しておらず、総裁選への対応は「夏の間によく考えたい」と話している。 

[時事通信社]

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