京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などで起訴された青葉真司被告（４６）は１月に一審京都地裁の裁判員裁判で死刑判決を受け、判決を不服として大阪高裁に控訴した。控訴審第１回公判の期日は決まっていない。一審同様、青葉被告の刑事責任能力の有無と程度が最大の争点になるとみられる。
弁護側の控訴趣意書提出後に検察側が反論を検討するため、第１回公判の期日が決まるまでにはまだ時間がかかる見込みだ。
京都地裁の裁判員裁判は昨年９月に始まり、今年１月の判決までに計２３回の公判が開かれる異例の長期審理となった。
一審で弁護側は、青葉被告が事件当時、重度の妄想性障害で心神喪失か耗弱の状態だったと主張。これに対し判決は、青葉被告が京アニに強い恨みを抱いた動機について「妄想性障害が影響している」としつつ、完全責任能力を認定。３６人が死亡するなどした結果の重大性も考慮して死刑を言い渡した。
青葉被告は判決後、事件で亡くなった寺脇（池田）晶子さんの夫（５１）と大阪拘置所で２度面会した。謝罪の一方、控訴した理由として「取り下げたらもう話せない。いろんなことを発信していきたい」と説明。動機については「京アニに裏切られた」と公判と同じ内容を繰り返し、「全てが妄想で片付けられてしまった」と不満を口にしていたという。
［時事通信社］