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「政治とカネ」再び、政権痛手=野党「自民の体質」と批判―堀井議員の香典提供

時事通信 2024年7月18日 19時0分

 自民党の堀井学衆院議員(18日付で離党)が、秘書らを通じて有権者に香典を提供したとされる疑いで東京地検特捜部の強制捜査を受けた。派閥裏金事件の逆風がやまない岸田文雄首相(自民総裁)にとって、新たな「政治とカネ」の問題は痛手だ。立憲民主党など野党は堀井氏の議員辞職を迫り、首相を批判した。

 首相は18日、首相官邸で記者団に対し「強い危機感を持って政治の信頼回復に努めていく」と言葉少なに語った。自民の茂木敏充幹事長は「説明責任を果たしてもらいたい」とのコメントを発表した。

 公職選挙法は政治家本人が出席した場合の結婚祝いや香典を除き、選挙区内での寄付を禁じている。党内では「今の時代にそんなことをしているのか」(閣僚経験者)と突き放す声が多い。堀井氏は、所属した安倍派からの政治資金パーティー収入のキックバック(還流)が発覚し、次期衆院選不出馬を表明していた。ある閣僚は「党というより個人の問題で、政権への影響は少ない」との見方を示した。

 ただ、通常国会が閉幕し、党内は裏金事件の沈静化を期待していただけに、「政治とカネ」の問題の再燃を警戒している。安倍派議員は「ようやく収まりかけていたのに」と恨み節。堀井氏と同じ北海道を地盤とする中堅議員は「困った。衆院選で無党派層の支持に響く」と漏らした。

 これに対し、立民の泉健太代表は福井市で記者団に「過度に金を集めて有権者に配る政治を変えなければいけない」と述べ、衆院選の争点に掲げる考えを示した。共産党の田村智子委員長は記者会見で「裏金事件と共に自民の体質を表す事態だ」と断じ、「議員辞職が求められる。離党で終わらせるつもりかと、首相も問われる」と指摘した。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「言語道断だ。裏金が香典に使われていた可能性が高いので、自民は調査を行い再発防止に全力を傾ける責任がある」と主張。同時に、秘書が弔問した場合には「『手ぶらで来たのか』という方(有権者)がまだいる」とも語った。 

[時事通信社]

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