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「バンブー外交」を体現=チョン書記長―ベトナム

時事通信 2024年7月19日 21時37分

 【ハノイ時事】19日に死去したベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、竹のようにしなやかに立場の異なる大国などと渡り合う「バンブー外交」を体現した人物だった。米国との国交正常化から20年目の2015年7月にベトナムの書記長として、ベトナム戦争終結後初めて訪米し、かつて戦火を交えた両国の接近を印象付けた。

 23年9月にはハノイを訪れたバイデン米大統領と会談。両国関係を最上位の「包括的戦略パートナーシップ」に引き上げ、半導体分野などの協力を米国から引き出した。日本には15年9月に訪れ、両国の連携を確認している。

 22年10月には最後の外遊先となった中国で、習近平国家主席と会談した。双方が領有権を争う南シナ海情勢を巡って、国際法に基づくベトナムの主権を尊重することを求めつつ、対話を通じて立場の違いを埋めるよう呼び掛けた。24年6月にはハノイでロシアのプーチン大統領と会談し、伝統的な友好関係の深化で意見を交わした。

 国内では16年以降、党の近代化を目指して汚職撲滅の取り組みを主導した。21年からの現在の体制下では、党の最高幹部会である政治局にも切り込み、強力に汚職対策を推進。不正行為に不満を抱く国民から支持を得ていた。 

[時事通信社]

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