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変革迫られる米軍=日本の防衛力拡充に対応―2プラス2

時事通信 2024年7月28日 21時16分

 米政府は28日、3年ぶりの東京での開催となった日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、在日米軍を再構成し、自衛隊との作戦運用での連携強化に取り組む方針を確認した。日本が中国の軍備増強をはじめかつてない安全保障環境の悪化に直面し、防衛力の拡充に乗り出す中、米側も軍事面での日本の役割増大に応じ変革を迫られた形だ。

 在日米軍の再構成は、陸海空自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」創設という日本側の動きに応じた措置だ。施設管理などに当たってきた在日米軍司令部を再編し、統合作戦司令部と連携して、実戦部隊の訓練や、日本各地に駐留する米軍部隊が参加する統合作戦の指揮を担う組織とする。

 米側は今後、在日米軍司令部の傘下に置く部隊の選定や、有事の作戦立案などに着手。司令部の拡充に伴い、収容能力に余裕がある厚木基地(神奈川県)の活用なども取り沙汰されている。米側関係者は、日米安保条約が改定された1960年以降で「最も重要な変化になる」と説明し、米軍と自衛隊が一体的に統合作戦を遂行できるようになると期待を示した。

 ただ、日本の事情に合わせて組織を変えるのは容易ではない。米側は再編後の司令部の司令官を現行の中将から大将に格上げする案を「排除しているわけではない」(オースティン国防長官)が、自衛隊の統合作戦司令部に比べスタッフの人数が多くなり、不均衡が生じるといった懸念から、反対論も根強い。司令部の陣容を固め、任務の詳細を詰める作業を終えるまで3年を要するともされる。

 一方、防衛装備品の日米共同生産も、防衛産業の生産基盤強化に向けた日本の防衛装備移転三原則と運用指針の改定が背景にある。技術の高度化により米軍の兵器調達の在り方は変革を求められている上、ウクライナへの地対空誘導弾パトリオット供与などで備蓄は逼迫(ひっぱく)。米側としては、日本の生産能力をサプライチェーン(供給網)に取り込む必要があった。 

[時事通信社]

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