【カイロ時事】イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相は28日、治安閣議を開き、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの報復計画を協議した。イスラエルの占領地ゴラン高原に対する27日のロケット弾攻撃を受けた措置。閣議では、ネタニヤフ氏とガラント国防相に報復の手段と時期を決める権限が与えられた。
ロケット弾はゴラン高原の町のサッカー場に着弾し、子供ら12人が死亡。地元メディアによれば、ガラント氏は28日、「私には報復計画の案が示された。イランの代理勢力ヒズボラが事件の背後におり、大きな代償を払うだろう」と語った。
ただ、イスラエルはヒズボラとの全面衝突は望んでいないとされる。報道によると、レバノンのハビブ外相は、イスラエルの報復は「限定的になる」との連絡を関係国から受けたと述べた。
ロイター通信は、イスラエル軍が29日、レバノン南部の町をドローンで攻撃し、2人が死亡したと報じた。27日以降も双方は小規模な交戦を続けている。
イラン外務省は28日、イスラエルがレバノンでヒズボラへの報復という新たな「冒険」を始めた場合、「予見不可能な結果をもたらす」とけん制した。一方、イスラエルはロケット弾の破片の写真などを公開し、ヒズボラがイラン製の武器を使用した「証拠」だと主張した。
[時事通信社]