団体総合で２大会ぶりの金メダルを獲得した体操男子。「幸せ」「言葉にならない」。パリに駆け付けた選手の家族らは２９日、快挙に喜びを爆発させた。
「みんな楽しそうにやっているのを見ることができて幸せ」。主将を務めた萱和磨選手（２７）の妻星良さん（２７）は金メダルが決まると涙を流した。試合中盤、点数が伸び悩んだ日本チーム。「苦しかったと思うが、最後に最高の笑顔を見せてくれた」と興奮を抑えきれない様子だった。
２年前の右膝の大けがを乗り越え、パリにたどり着いた岡慎之助選手（２０）の父泰正さん（４４）は「完璧な演技。言葉にならない」と目に涙を浮かべた。岡選手は中学卒業後に地元の岡山県を離れ、神奈川県の徳洲会体操クラブに入った。泰正さんは「行かせた判断は正しかったのかな」としみじみ語った。
あん馬や鉄棒で好演技を見せた杉野正尭選手（２５）は東京五輪出場を逃し、我慢の３年間を送った。兄広尭さん（２７）は「苦しい思いをしてここまで来た。努力は報われるということを彼自身の演技で証明してくれて、すごくうれしい」と喜びを隠さなかった。
［時事通信社］