五輪フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得した日本チーム。出場した江村美咲選手(25)=立飛ホールディングス=は、まさかの3回戦負けを喫したサーブル個人の雪辱を果たし、観客席に向かってガッツポーズした。
サーブルは「突き」に「斬る」を加えた種目で、江村選手の最大の特徴は「細かいフットワークと力強いカット」にある。ソウル五輪に出場経験があり、北京五輪で日本代表監督も務めた父宏二さんの分析だ。前足を前に大きく踏み込んで攻撃する「ファンデヴ」も得意にしている。
宏二さんによると、江村選手は試合中に失敗した際に、悔しいしぐさをする時と、しない時がある。「しぐさが出ない時は完全に集中できている。その時は本当に強い」と言う。
メダルに届かなかった東京五輪後、江村選手は実家を出て、家族と離れて暮らし始めた。宏二さんは「完璧主義で、自分で料理を作り、午後10時ごろには必ず寝て、100%ベストな状態で練習に臨めるように準備していた」と語る。
高校進学時には、四六時中フェンシングに打ち込めるように定時制を選んだ江村選手も、休日にはフェンシングから完全に離れ、ファッションやグルメなどを楽しむようになったといい、宏二さんは「オンオフの切り替えがしっかりできるようになったのは大きな変化」と捉えていた。
江村選手は兄弟に声を掛け、毎年、店を予約して結婚記念日を祝ってくれるという。宏二さんは「口にはしないが、行動でそういう気配りを示してくれる」と語っていた。
[時事通信社]