岸田首相、改憲論議加速指示へ＝７日に自民本部出席

　岸田文雄首相（自民党総裁）は６日、同党の古屋圭司憲法改正実現本部長らと首相官邸で会談した。古屋氏は、本部の下に設けたワーキングチーム（ＷＴ）で議論を重ね、党内の衆院側と参院側の間にあった改憲に関する意見の食い違いをすり合わせたと報告した。首相は７日に開かれる本部の会合に自ら出席し、改憲条文案の作成に向けて議論を加速するよう指示する考えだ。

　大規模災害など緊急事態時の対応を巡り、自民の衆院側は憲法の定める「参院の緊急集会」では国会機能の維持に限界があるとして、国会議員の任期延長を可能にする改憲を急ぐよう主張。これに対し、参院側は緊急集会を重視すべきだと反発していた。ＷＴでは緊急集会を「参院の重要な権能」と位置付けることなどで折り合った。

　古屋氏によると、首相は衆参の意見が一致したことを「いいことだ」と評価。条文案を巡る公明党や日本維新の会との協議を念頭に「さらに加速して対応してほしい」と求めたという。　