在日米大使館は７日、エマニュエル大使が９日に長崎市で開かれる「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」を欠席することを明らかにした。在福岡領事館のアシーケ首席領事が代理参加するという。式典を巡っては、パレスチナ情勢を受け、駐日イスラエル大使が招待されていないことに反発したロングボトム駐日英大使が欠席を表明。イスラエルの後ろ盾である米国も歩調を合わせた格好だ。
米大使館は「長崎の式典を政治化したくないとの思いから出席を見合わせた」と説明。エマニュエル氏は代わりに、９日に東京都港区の増上寺で行われる「長崎原爆殉難者追悼会」に出るという。
同大使館によると、米国は２０１１年以降、長崎の式典に政府代表を派遣。２２年に着任したエマニュエル氏は同年出席したが、昨年は台風の影響で見送った。
イスラエルはパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと激しい戦闘を繰り広げ、民間人が多数犠牲となっている。市は「円滑な運営が阻害される恐れ」を理由にイスラエル大使を招待せず、パレスチナ代表だけを招いていた。
［時事通信社］