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「南海トラフへ準備急ぐ」=甚大被害想定地域の住民

時事通信 2024年8月8日 22時22分

 8日夕に起きた日向灘を震源とする地震を受け、気象庁は南海トラフ地震臨時情報を出し、「巨大地震注意」とした。発生時に甚大な津波被害などが想定される地域の住民は「あす起きるかもしれず、準備を急ぎたい」と話した。

 太平洋に面する高知県室戸市。南海トラフ地震発生時の津波の浸水予測は最大20メートル以上という。同市に住む山田正人さん(57)は「避難訓練は毎年参加しているので、避難所までの道のりは頭に入っている」と話す。

 ただ、「自宅にはあまり水や食料などの備蓄品は置いていない」という。山田さんは「あすにも起きるかもしれないので2、3日は生活できるよう準備したい」と述べた。

 同県土佐清水市で旅館を営む男性(58)は「インスタント食品や水は用意しているが、もう少し増やしたほうがいいかな」と準備の必要性を痛感。臨時情報の発表後、予約をキャンセルする客もいるといい、「今から繁忙期だが、さらに増えるかも」とため息をついた。

 同様に大きな被害が予想される三重県志摩市内の寺の住職の男性(31)は「最近は大きな地震はないが、次はうちかもしれない」と不安そうな様子。大地震に備え水やヘルメットを備蓄しているという。自宅を兼ねる寺は海に近いが、避難用タワーの完成はまだ先といい「早く建設してほしい」と訴えた。

 同県伊勢市で理容店を経営する女性(70)は「南海トラフ地震はずっと来ると言われていた。いつ起きてもおかしくない」と不安がる。自宅は海の近くで津波到達も想定されているといい、家族とは「津波が来たら近くの山に逃げるしかない」と話している。

 8日夕に最大震度6弱の揺れに襲われた宮崎県日南市で飲食店を経営する間瀬田圭子さん(77)は「巨大地震注意」の発表を聞き、「本当に大きな地震が来たら足がすくんで動けなくなるのではないかと余計に不安になった」と訴えた。「『大丈夫だろう』と思い途中でやめてしまった水などの備えも再開しなくては」と話した。 

[時事通信社]

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