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野党、局面転換を警戒=立民代表「自民の体質不変」

時事通信 2024年8月14日 19時34分

 岸田文雄首相の自民党総裁選への不出馬表明を受け、野党各党には14日、劣勢の与党が息を吹き返すことに警戒が広がった。早期の衆院解散・総選挙もあり得ると分析。立憲民主党の泉健太代表は自民派閥の裏金事件に触れ、「首相が辞めても自民の体質が変わるわけではない」と訴えた。

 泉氏は党本部で記者団に「生命維持のため党が危機になると総理・総裁を代えて過去を忘れてもらう自民の手法に国民がいつまでも引っ掛かってはいけない」と強調。自身の任期満了に伴う9月の立民代表選に関し、「自民総裁が誰になろうと、自民に代わる政権をつくる強い志の見えてくる代表選でなければいけない」と語った。

 立民内ではもともと、代表選が同時期に行われる自民総裁選の陰に隠れる展開を避けたいとの空気が強かった。内閣支持率が低迷する岸田氏の退陣により、埋没への懸念が拡大。代表選に既に名乗りを上げた枝野幸男前代表は自身のX(旧ツイッター)に「やるべきことを粛々と進める」と投稿した。

 泉氏の党運営に批判的な若手も「総裁選の結果次第で即衆院解散となることを考えると、代表選で立民がいかに化けられるかがポイントだ」と危機感をあらわにした。泉氏は19日にも共産党の田村智子委員長と選挙協力に関して会談する意向だ。

 共産幹部は「いよいよ本格的に準備しないといけない」と指摘。同党の小池晃書記局長は記者会見で「自民政治そのものを終わらせなければいけない。市民と野党の共闘を図る」と表明した。

 日本維新の会の馬場伸幸代表は談話を出し、「政治改革で公党間の約束を果たせず、岸田総裁に党内をまとめ切る力がなかったことは残念だ」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表は談話で「単なる自民政権維持のためではなく、日本再生のための刷新が必要だ。新しい総裁が選ばれれば解散・総選挙は早まるだろう」との見方を示した。 

[時事通信社]

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