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タクシン氏、引き続き火種に=保守派の警戒感消えず―タイ

時事通信 2024年8月16日 15時6分

 【バンコク時事】タイ連立政権内の対立を背景にセター前首相が憲法裁判決で失職してから2日後、与党統一候補としてペートンタン氏が新首相に選出された。早期の後継選出は「政治空白」を極力なくし、経済への悪影響を最小限に抑えるためとみられる。ただ、同氏の父親であるタクシン元首相に対する軍など保守派の警戒感が消えたとは言えず、対立の火種は残る。

 タクシン氏は国軍による2006年と14年のクーデターで、自身や妹のインラック氏が直前まで首相だった政権を倒され、これまで反軍を掲げてきた。昨年8月に海外逃亡先から帰国した際、保守派と取引。自身への恩赦の見返りとして、実質的に支配するタイ貢献党と親軍政党などによる連立政権を樹立させたとされるが、今年2月の仮釈放後はクーデターを改めて批判した。

 4月の内閣改造でセター氏は、法廷侮辱罪で有罪判決を受けたタクシン氏の元弁護人を閣僚に任命。保守派はセター氏の背後にいるタクシン氏の「行き過ぎた行動」と捉え、その後の失職判決につながった。

 タイ政治の専門家は「保守派はタクシン氏を信用しておらず、憲法裁判決は警告だ。ペートンタン氏は『人質』で、タクシン氏の言動次第では再び政治的に混乱する恐れがある」と分析している。 

[時事通信社]

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