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バイデン氏、ハリス氏にバトン=「トランプ打倒」に執念―党大会開幕、綱領を採択・米民主

時事通信 2024年8月20日 18時1分

 【シカゴ時事】米民主党の全国大会が19日、中西部イリノイ州シカゴで4日間の日程で開幕した。再選を断念したバイデン米大統領(81)が基調演説を行い、自身に代わって大統領候補となったハリス副大統領(59)の当選に全力を挙げるよう要請。次世代にバトンを渡す瞬間に当たり「何よりもトランプを倒してほしい」と力を込め、最後まで共和党のトランプ前大統領(78)に対抗する闘志を示した。

 民主党はこの日、中間層重視の経済や気候変動対策など九つの政策指針を打ち出した党綱領も採択した。バイデン氏の撤退表明の約1週間前に草案が作成された綱領は、「バイデン政権2期目」の公約を含んでおり、土壇場での候補者交代がいかに党を混乱させたかを物語った。

 バイデン氏は娘のアシュリーさんの紹介で登壇。会場は約4分にわたり「ありがとうジョー(・バイデン)」「ジョーを愛している」という歓声で満たされ、バイデン氏も涙を拭い「私も愛している」と応じた。

 約50分に及んだ演説では、新型コロナウイルスの惨禍から経済を立て直し、外交面でも同盟国の結束を取り戻した実績を誇示。「民主主義を守らなければならない」「大統領の職よりも国を愛している」と語り、身を引くのはトランプ氏の復権阻止ただ一点にあると強調した。

 演説に先立ち、ハリス氏もサプライズでステージに上がり、「バイデン氏の歴史的指導力と生涯にわたる国への献身に感謝する」と表明した。その上で「(大統領選投開票の)11月、私たちは一つの声となって前進する」と勝利を誓った。クリントン元国務長官や若手のオカシオコルテス下院議員らも演説し、団結を演出した。

 ハリス氏は参戦するや全米支持率でトランプ氏を逆転し、党は既に「ハリス色」に染まっている。バイデン氏は、「私は(政界入りした)29歳の時より楽観的だ。米国民が一つになれば成し遂げられないことは何もない」と演説を締めくくり、ハリス氏の指名受諾演説を待たずにシカゴを後にした。 

[時事通信社]

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