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県立高、共学か男女別学か=現役生も加わり議論白熱―埼玉

時事通信 2024年8月22日 17時30分

 埼玉県男女共同参画苦情処理委員会が昨年8月、男女別の県立学校の共学化を勧告して以降、県内では共学賛成派と別学維持派による白熱した議論が起きていた。別学校に通う生徒や同窓会からは「公立にも別学、共学の選択肢は必要だ」などと共学化に反対する声が噴出。県教育委員会が先月公表したアンケートでも、中高生らが賛成、反対の立場でさまざまな意見を寄せていた。

 県教委は今年4月中旬から1カ月間、県内の中高生や保護者を対象にインターネットでアンケートを実施し、計約6万5000人が回答した。

 その結果、県内の別学校12校の在り方を巡り、高校生の57.2%が別学の維持を求めた。その理由のトップは「共学、別学両方を選択できる方が良い」(35.0%)で、「共学化すると伝統の尊重や校風の維持ができなくなる」(20.1%)が次いだ。共学化を求めたのは7.8%のみで、理由として「性別によって入学できない高校があるのは公平ではない」「ジェンダー平等に対する理解が進む」などが選ばれた。

 中学生では56.2%が共学化、別学維持の「どちらでもよい」と回答。一方で、進学を希望する高校では「共学校」が56.3%に上り、「男子校」は3.5%、「女子校」は3.4%だった。

 アンケート公表後の先月23日には、別学に通う高校生らが県教委を訪れ、別学の維持を要望した。これに先立ち、浦和高校3年の生徒会長は記者団に対し、大雨でも行事を決行する同校の「雨天決行の原則」を紹介しつつ、「別学が私学だけだとお金に余裕のない人の選択肢が狭まる。女子の目を気にせず伸び伸びできる」と主張した。

 また、女子校2年の生徒は「別学が男女差別とは考えない。選択肢の一つとして別学が残ることが重要で、仲間との関係など女子校じゃないとかなわないこともある」と訴えていた。 

[時事通信社]

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