全身麻酔で親知らずを抜く手術を行った際、適切な対応を怠って特別支援学校の男子生徒＝当時（１７）＝を死亡させたとして、大阪府警捜査１課は２６日、業務上過失致死容疑で、「堺市重度障害者歯科診療所」（同市堺区）の歯科医の男性（５５）と女性（３４）を書類送検した。同課は、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
送検容疑は昨年７月、同診療所で男子生徒の手術を行った際、鼻から挿管した酸素チューブの先端が気管から外れたのに確認を怠り、その後の救急要請も遅れたことにより、同８月に低酸素虚血性脳症で男子生徒を死亡させた疑い。
同課によると、２人は「救急要請が遅れたのは私のミス」「チューブの位置異常や食道挿管を疑っていればよかった」などと話しているという。
この診療所は、障害などのため一般診療所での治療が困難な患者向けに、堺市歯科医師会が運営。男子生徒は別の歯科に通院していたが、機械音や痛みを嫌がるため、全身麻酔が適切と判断され、同診療所で手術を受けた。
［時事通信社］