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鹿児島県に特別警報=台風10号接近で暴風、波浪、高潮―気象庁「安全確保を」

時事通信 2024年8月28日 18時20分

 非常に強い台風10号は28日午後、鹿児島県・屋久島の南西海上を北上し、九州南部は大荒れとなった。気象庁は午後1時、鹿児島県(奄美地方を除く)に暴風と波浪の特別警報を発表し、午後4時20分には同県の一部に高潮の特別警報も出した。同県と宮崎県では大雨の特別警報を発表する可能性もある。

 高潮特別警報の対象は、鹿児島県いちき串木野市と阿久根市、薩摩川内市、長島町。

 鹿児島県三島村には5段階の警戒レベルで最も高い緊急安全確保が発令され、鹿児島市など多くの市町村で避難指示が出された。

 気象庁の杉本悟史予報課長は記者会見し、「経験したことのないような暴風、高波、高潮、記録的な大雨の恐れがある。直ちに避難の判断をし、身の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。

 宮崎市では28日午後2時ごろ、10号の影響とみられる突風が発生。市によると、車が横転するなどして男女7人がけがをした。

 10号は29日に九州に上陸し、31日にかけて西日本の陸上か四国・紀伊半島沖を東へ進むと予想される。発達した雨雲が連なる線状降水帯の予測情報も発表され、奄美地方では29日午前まで、九州全県と山口県では29日夜まで発生する可能性がある。四国のうち徳島、愛媛、高知3県は29日午前から夜まで発生する恐れがある。

 10号は28日午後5時、屋久島の西南西約40キロの海上をゆっくりと北へ進んだ。中心気圧は935ヘクトパスカル、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートル。半径110キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、東側390キロ以内と西側280キロ以内が風速15メートル以上の強風域。

 鹿児島県屋久島町では午後0時55分ごろに最大瞬間風速44.4メートルを観測。宮崎県えびの市では午後5時20分までの24時間雨量が239.5ミリに上った。

 29日に予想される最大瞬間風速は九州南部70メートル、九州北部と奄美60メートル、四国35メートル、中国30メートル。

 29日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、九州南部600ミリ、九州北部400ミリ、東海と四国300ミリ、近畿と奄美150ミリ。その後、30日午後6時までの同雨量は、九州北部・南部と四国400ミリ、東海300ミリ、近畿200ミリ、中国150ミリ。 

[時事通信社]

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