全国で相次いだ広域強盗のうち、昨年１月に東京都狛江市で高齢女性が死亡した事件の実行役として強盗致死罪などに問われた元大学生、中西一晟被告（２１）の裁判員裁判の判決が６日、東京地裁立川支部であった。杉山正明裁判長は「卑劣かつ悪質極まりない犯行だ」として懲役２３年（求刑懲役２５年）を言い渡した。同事件での判決は初めて。
弁護側は、女性をバールで殴ったのは別の実行役で中西被告は共謀していないとして、同罪の成立を否定していた。
杉山裁判長は、中西被告が事件前に「バールで人くらい殴れます」と指示役に連絡していたことなどから、「相当強度の暴行を加える可能性を認識していた」として共謀を認定。自ら購入した結束バンドで女性の両手を縛るなど、強盗に不可欠な役割を果たしたと指摘した。
その上で、公判では責任を回避する言動に終始しており、「罪に十分向き合っているとは言い難く、反省はまだ途上だ」と非難した。
判決によると、中西被告は昨年１月１９日、実行役の永田陸人被告（２２）＝強盗致死罪などで起訴＝らと共謀し、狛江市の女性＝当時（９０）＝宅に侵入。女性に暴行して死亡させ、高級腕時計など４点（計約５９万円相当）を奪うなどした。
［時事通信社］