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揺れる「青い壁」、米大統領選の行方左右=両陣営がウィスコンシン州に注力

時事通信 2024年9月9日 5時22分

 【ワシントン時事】11月の米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の両陣営が、中西部ウィスコンシン州での選挙戦を活発化させている。製造業が盛んな同州は典型的な「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」。シンボルカラーが青の民主党の伝統的な地盤「青い壁」の一角だったが、近年は激戦州と化している。

 「ホワイトハウスへの道は、ウィスコンシンを経由している」。選挙戦を撤退したバイデン大統領から後継指名を受けたハリス氏は7月23日、初の地方遊説先としてウィスコンシン州の最大都市ミルウォーキーを選んだ。

 米労働省によると、ウィスコンシン州の雇用に占める製造業の割合は2022年時点で19.0%と、州別では第2位の高さで、10%弱の全米平均を大きく上回る。同州を含めたラストベルトを制するため、ハリス、トランプ両氏とも副大統領候補に中西部出身者を選び、労働者票の取り込みに必死だ。

 16年の大統領選では、トランプ氏が同州をはじめ中西部の「青い壁」を崩し、当選を果たした。だが、20年の選挙ではバイデン氏が奪還、トランプ氏の再選を阻んだ。ハリス氏は聴衆に「ウィスコンシンで勝つため、あなたがたを頼りにしている。20年は勝利を助けてもらった。24年、われわれは再び勝つ」と呼び掛けた。

 一方、共和党は7月に全国大会をミルウォーキーで開催した。トランプ氏も繰り返し同州入りし、今月7日に行った演説では、返り咲けば海外からの製品輸入に高関税をかけ、米国内での生産を増やすと強調。「ウィスコンシンは最大の受益者になる」と訴えるなど、労働者層を強く意識している。 

[時事通信社]

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