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米鋼板メーカーの保有株売却=USスチール買収見据え―日鉄

時事通信 2024年10月11日 19時43分

 日本製鉄は11日、米鉄鋼大手USスチールの買収が実現した場合、米アラバマ州で自動車用鋼板などを製造するAM/NSカルバートの全保有株式を欧州鉄鋼大手アルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)に譲渡する契約を締結したと発表した。USスチールも自動車用鋼板を製造しており、買収によって市場シェアが高まり、独禁当局から懸念が示される恐れがあると判断した。

 米当局の懸念に対応するため、日鉄からアルセロール・ミッタルに譲渡を申し出た。同日のオンライン説明会で、日鉄幹部は「持ち分(株式)譲渡により、独禁審査のクリアランス(承認)取得に向けて大きく前進すると考えている」と述べた。

 カルバート社には、日鉄の100%子会社とアルセロール・ミッタルの100%子会社が折半出資している。株式の譲渡額は1ドル。日鉄は、北米事業を強化する上ではUSスチールの買収完了を優先する必要があるとして、譲渡契約締結に踏み切った。

 日鉄は年内のUSスチール買収完了を目指している。買収が実現しない場合、株式譲渡は実行されない。

 日鉄は株式の譲渡に伴い、2024年度に2300億円程度の事業再編損失を計上する見込み。ただ、USスチールの買収完了後は、同社の収益を取り込めるため、合理的な投資案件としている。 

[時事通信社]

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