生命保険大手10社の2024年度下期資産運用計画が29日までに出そろった。日銀の金融政策修正を受けて金利が上昇していることを踏まえ、多くの社が国内債券を積み増す。ただ、各社とも日銀が年度内に再度の利上げに踏み切ると想定。さらなる金利上昇を見込み、投資額は抑制する。
生保各社は、契約者からの保険料を原資に金融商品で運用している。10社中7社は超長期国債を中心に国内債を積み増すが、「金利の水準はまだ低い」(第一生命保険の堀川耕平運用企画部長)と、投資拡大には慎重だ。住友生命保険、朝日生命保険、かんぽ生命保険は買い入れが償還を下回るため残高は減少する見込みで、「金利上昇を待って残高を積み増していく」(住友生命の増田光男運用企画部長)方針。
外国債券への投資は7社が横ばいか減少。為替変動リスクに備える「ヘッジコスト」は高水準が続くほか、米国が利下げ局面に入り米金利の低下と円高進行が予想されるため、十分な投資効果が得られないと判断した。第一生命と住友生命は相場次第とし、大樹生命保険は残高を増やす。
リスクを分散するため、債券や上場株式とは異なる値動きをする非上場株式やインフラ事業への投資を全社が増やす。
[時事通信社]