【北京時事】中国の習近平国家主席は29日、フィンランドのストゥブ大統領と北京の人民大会堂で会談した。両氏は経済や再生可能エネルギーなど多分野での協力強化で合意。習政権は31日からスロバキアのフィツォ首相を中国に招待しており、対中通商摩擦を抱える欧州連合(EU)加盟国の切り崩しを狙っているもようだ。
中国外務省によると、習氏は会談で「両国は多国間主義と自由貿易を支持している。共に経済のグローバル化を促進したい」と強調。ストゥブ氏は「欧州と中国の経済は密接に結び付いており、切り離すことは利益にならない」と応じた。両氏は、中東情勢やロシアのウクライナ侵攻についても意見交換した。
中国とEUは、中国製電気自動車(EV)への関税引き上げを巡り対立が続いている。EU欧州委員会は4日、引き上げについて加盟国による採決を行い、「必要な支持を得た」と発表。ただ、フィンランドは棄権、スロバキアは反対票を投じたと報じられている。
[時事通信社]