指定暴力団山口組弘道会系組員を銃撃し、殺害しようとしたとして、殺人未遂などの罪に問われた山健組組長中田浩司被告（６５）の裁判員裁判の判決が３１日、神戸地裁であり、丸田顕裁判長は無罪を言い渡した。検察側は懲役２０年を求刑していた。
丸田裁判長は、検察が証拠として提出した防犯カメラ映像に映る実行犯と中田被告が「同一人物とは言い切れない」と判断した。
山健組は事件当時、山口組と対立しており、銃撃事件後の２０２１年に山口組に復帰した。丸田裁判長は「動機があることは否定できない」とする一方、「組長として傘下の組員に実行させることができた」と指摘した。
中田被告は１９年８月、神戸市中央区で駐車中の軽乗用車内にいた弘道会系組員に拳銃を６発発射し、殺害しようとしたとして起訴された。
松居徹郎・神戸地検次席検事の話 判決内容をよく検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい。
［時事通信社］