電力大手10社の2024年9月中間連結決算が31日出そろった。沖縄電力を除く9社は純利益が減益となった。液化天然ガス(LNG)などの発電用燃料の価格下落の影響が遅れて電気料金に反映される「期ずれ」によって、前年同期に生じていた差益が大幅に減少したり、差損に転じたりしたことが響いた。
純利益は中国電力が前年同期比58.0%減、中部電力が52.8%減、九州電力が50.4%減と大幅減益になった。前年同期に期ずれによる差益が生じていた東京電力ホールディングスなどは差損が生じた。
一方、売上高は北陸電力、関西電力、四国電力、九州電の4社で過去最高となった。他の電力会社向けを中心に電力販売量が増加したほか、一部では夏の冷房需要が伸びた。
31日に記者会見した中国電の中川賢剛社長は「為替や燃料などの市場価格の変動による影響が大きく、依然として厳しい状況にある」と述べた。
[時事通信社]