名門「松山バレエ団」の団長として主役を張り続ける森下洋子さん(75)。旭日重光章の知らせに「一番は長く続けていること。70歳以上で舞台で現役で踊るというのは世界でもないことなので」と、笑顔で自負心をのぞかせた。
「舞台を降りるとか、やめるとか一切考えたことがない」。毎日6時間の稽古と「風邪でせきが出ただけですぐ医者に行く」という厳しい体調管理が、衰え知らずの活躍を支える。「互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきた同志」という演出・振り付け担当の夫、清水哲太郎さん(76)の存在も大きい。
広島市出身の被爆2世。今年のノーベル平和賞が日本原水爆被害者団体協議会に決まったこともあり、「来年で80年になるんだといつも考えている。核のない世界へ、どんな時でも訴えていきたい」と決意を述べた。
[時事通信社]