大手百貨店は来年の初売りで「体験型」福袋の販売に力を入れる。「非日常が求められている」(高島屋)といい、動物園の飼育員体験や豪華客船クルーズなど、多彩な企画で盛り上げる。一方、物価高にあえぐ消費者を呼び込もうと、食品を中心に値頃感をアピールした商品も目立つ。
東武百貨店池袋本店(東京都豊島区)は、小学生とその保護者(5組10人)に「東武動物公園 飼育員おしごと体験福袋」(5000円)を販売。ゾウの部屋掃除やホワイトタイガーへの餌やり、巳(み)年にちなんでニシキヘビの一種「ボールパイソン」との記念撮影もできる。「笑顔あふれる年になるように応援したい」(同店)考えだ。
高島屋は体験型福袋を前年より拡充。豪華客船で韓国の済州島などを巡る7泊8日のクルーズ旅行(1組2人)を405万円で売り出すほか、「大相撲 朝稽古ツアー福袋」(10組20人、2025円)も投入。相撲部屋で稽古を見学した後、力士特製のちゃんこ鍋も食べられる。
お得感を打ち出した福袋もずらり。「令和のコメ騒動」と呼ばれた今夏のコメ不足と価格高騰を受け、西武秋田店(秋田市)は「あきたこまち」の米俵1俵(60キロ、3個)を格安の2万250円で提供する。
松屋銀座(東京都中央区)は、調味料や缶詰など計8000円相当を詰め合わせた「食品てんこ盛り福袋」(30個)を3240円で販売。新社会人になる学生らに向け、スーツやネクタイ、名刺入れなど一式をそろえた福袋(3個)も通常より6割ほど安い5万5000円で売り出し、人生の転機を応援する。
[時事通信社]