【トゥラセンドラプラム(インド南部)時事】米大統領選の行方を、遠く離れたインドの村も注視している。村はかつて民主党候補ハリス副大統領の母方の祖父(故人)が暮らした地。最近はハリス氏の当選を祈って「プジャ」と呼ばれるヒンズー教の儀式も行われている。
南部タミルナド州トゥラセンドラプラム村。周囲を水田に囲まれ、のどかな風景が広がる。中心部にある寺院の寄付者が刻まれた壁には、官僚だった祖父やハリス氏の名前もあった。住民によれば、州内で暮らす叔母が約10年前にハリス氏の名前で寄付したという。
雑貨店を営むマニカンダン・ガネサムさん(44)は4日、「副大統領になった時も村で祝った。皆誇りに感じているし、いい結果を待っている」と笑顔を見せた。店内にはハリス氏とバイデン米大統領が並んだポスターが掲げられている。
元銀行員のエン・クリシュナムルティさん(80)は「ハリス氏を応援しているが、トランプ前大統領が勝っても友好国としてインドを支援してほしい」と話す。
同州で生まれたハリス氏の母親は米国へ渡り、著名な乳がん研究者に。同国で2009年に亡くなった。メキシコに滞在中の叔父バラチャンドラン・ゴパランさん(84)は3日、電話取材に「(ハリス氏は)不平を言わず、人道的価値観を重視するところが母親と似ている。情勢は見通せないが、めいの当選を期待している」と語った。
[時事通信社]