東京電力は7日、福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業を完了したと発表した。回収装置が採取した5ミリ大のデブリの放射線量を測定し、作業に問題ないことを確認した上で、運搬用の専用容器に収納。約2カ月で一連の作業を終えた。
2011年の事故後、格納容器内からデブリを回収したのは初めてで、廃炉に向けた工程は新たな段階に入った。今後、茨城県大洗町や東海村にある日本原子力研究開発機構などの4施設で成分などを分析し、本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。
東電によると、7日午前9時ごろから作業を開始し、約2時間半余りかけてデブリの入った専用容器をコンテナに収納した。今後、重さや詳細な放射線量などを測定した上で分析施設に運ぶ。ただ、テロ対策を理由に詳細は公表しないという。
東電の担当者は7日午後の記者会見で「地域の皆さまへご心配を掛けることのないよう、安全を最優先に取り組みたい」と述べた。
[時事通信社]