小林製薬が8日発表した2024年1~9月期連結決算は、純利益が前年同期比65.5%減の53億円だった。紅麹(べにこうじ)配合サプリメントによる健康被害問題を受け、製品回収にかかる費用など特別損失101億円を計上したことで、大幅な減益となった。
売上高は3.9%減の1144億円。紅麹関連製品の回収や広告の中止などが販売にも影響した。本業のもうけを示す営業利益は12.4%減の169億円だった。同社は8月に被害者に対する補償を開始。特別損失は7月以降、22億円積み増しており、被害者の医療費関連の補償費用や引当金も含まれるという。
24年12月期通期業績予想は、純利益を107億円に下方修正した。特別損失が膨らみ、8月時点の121億円から引き下げた。補償の対象者は今後も増えると見込まれ、同社の中川由美執行役員はオンライン記者会見で「(特別損失を)追加計上する可能性がある」と指摘。利益水準がさらに下振れすることを示唆した。
[時事通信社]