10日午前9時50分ごろ、福岡県宗像市の大島の北約2キロの沖合で、海上自衛隊の掃海艇「うくしま」から「エンジンルームから火災が発生した」と、第7管区海上保安本部(北九州市)に通報があった。海自や海保によると、機関室にいた3等海曹(33)が行方不明。室内に取り残されているとみられるが、消火作業は難航している。
海自トップの斎藤聡海上幕僚長は同日夜に記者会見し「消火に全力を挙げるが、沈没の可能性も否定できない」と説明した。
海保などによると、うくしまは同9時43分ごろにエンジン周辺から出火。乗員や近くにいた掃海艇「とよしま」、海保の船による消火活動でいったん鎮火したが、午後3時前に再び燃え始めた。火の勢いが強まったため、乗員は全員とよしまに退避した。同8時半時点で船体は大半が延焼して傾いており、複数回の爆発も起きたという。
不明の隊員は機関室で当直中で、一緒にいた20代の隊員も煙を吸って病院に搬送された。命に別条はない。海自は事故調査委員会を設置し、詳しい状況を調べている。
うくしまは下関基地隊所属で、全長54メートル、510トンの木製掃海艇。約40人が乗り、日向灘で行われる掃海訓練に参加するため、10日朝に同基地を出港していた。
[時事通信社]