違法薬物を譲り受けたとして、警視庁薬物銃器対策課は12日、麻薬特例法違反(譲り受け)容疑で、オリンパスのシュテファン・カウフマン元社長兼最高経営責任者(CEO)(56)を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。容疑を認めているという。
捜査関係者によると、カウフマン元社長は2022年9月~今年2月ごろ、東京都内で複数回にわたり、自称カメラマン金子高明容疑者(44)からコカインやMDMAとみられる違法薬物を譲り受けた疑いがある。
1回当たりコカイン0.1~0.2グラム、MDMA1錠を購入していたとみられる。
同課は今月7日、カウフマン元社長への違法薬物譲り渡し容疑で、金子容疑者を逮捕していた。黙秘しているという。
事件を巡っては4月、警視庁に匿名の通報があり、同課がカウフマン元社長と金子容疑者の都内の自宅を6月に家宅捜索した。カウフマン元社長宅から薬物は見つからなかったが、同容疑者は覚醒剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕され、東京地裁で執行猶予付き有罪判決を受けた。
金子容疑者は判決直前の9月、カウフマン元社長との薬物取引を告発する手紙をオリンパスへ送付した。警視庁は同月、同社から相談を受けて再捜査を開始。元社長から任意で事情を聴いていた。
カウフマン元社長はドイツ出身で、03年にオリンパスの欧州統括会社に入社し、執行役員などを歴任した。23年4月にオリンパス社長に就任したが、10月28日、薬物取引に関する告発を受けた取締役会の要求に応じ、辞任した。
[時事通信社]