【ワシントン時事】複数の米メディアは11日、トランプ次期大統領が南部フロリダ州選出のマイク・ウォルツ共和党下院議員(50)に国家安全保障担当の大統領補佐官への就任を打診したと報じた。陸軍特殊部隊「グリーンベレー」出身のウォルツ氏は対中タカ派として知られる。ロシアのウクライナ侵攻や中東紛争を含め、トランプ政権2期目の外交・安全保障政策のかじ取りを担うことになる。
ウォルツ氏はアフガニスタンなどでの軍務経験を経て、2018年下院議員に初当選。軍事即応小委の委員長などを務めた。中国の覇権主義的行動を強く批判し、重要鉱物の対中依存低減や、米国の大学を中国のスパイ活動から守る法案策定に携わった。
また、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)はトランプ氏周辺3人の話として、マルコ・ルビオ上院議員(53)が国務長官に起用される見通しだと伝えた。ルビオ氏はイランや中国に対し、非常に厳しい姿勢を示す外交通と評される。
政策担当の大統領次席補佐官には、トランプ政権1期目で大統領上級顧問を務めたスティーブン・ミラー氏(39)が登用される方向。ミラー氏は不法移民対策の最強硬派で、スピーチライターとしてもトランプ氏を長年支えた。
ミラー氏は、トランプ氏が約束している「史上最大の移民送還作戦」の実施を担うため、広範な権限を与えられるもようだ。大統領選の期間中、「米国は米国民だけのものだ」と訴え、不法移民を一斉拘束し、強制送還するまで施設に収容するという計画を米メディアに語っていた。
トランプ氏は10日、元移民税関捜査局(ICE)局長代理のトム・ホーマン氏を国境・移民送還担当に指名。ミラー、ホーマン両氏の人事は、トランプ氏が移民問題を重視し、厳しい姿勢で臨むことを裏付ける形となる。
[時事通信社]