【バクー時事】バクーで開かれている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で12日、議長国アゼルバイジャンのアリエフ大統領が、同国に批判的な米欧メディアを「フェイクニュース」と決め付けて猛反発する一幕があった。石油やガスを「神の恵み」と呼び、かつて物議を醸した発言を改めて繰り返し、化石燃料を擁護した。
発言は首脳級会合の開幕あいさつで飛び出した。「世界一の産油国のフェイクニュースメディアがわれわれを『石油国家』と呼んでいるが、自らを見た方がよい」と、米メディアに反論した。
さらに、欧州連合(EU)がアゼルバイジャンからの天然ガス調達を倍増する合意を交わした点に触れ、欧州メディアやNGOの非難は「偽善だ」と切り捨てた。
アリエフ氏は「COP29議長国として、グリーンな社会への移行を強く支持しているが、同時に現実的でなければならない」とも主張。野心的な合意に向けた機運の醸成に水を差す形となった。
アゼルバイジャンは輸出の9割を石油・ガスが占めている。2月の大統領選で5選を決めたアリエフ氏は長期政権を築き、国際人権団体から政治腐敗が指摘されている。
[時事通信社]