ブラジル南東部の約8000万年前(白亜紀後期)の地層から小柄な鳥類のほぼ完全な化石が発見され、新属新種に分類された。頭骨の内部構造から脳の進化の解明が進むと期待される。米ロサンゼルス郡立自然史博物館や英ケンブリッジ大などの研究チームが13日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
この新種鳥類の年代は、約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の原始的な鳥類「始祖鳥」と現代の鳥類の中間に当たる。全身はスズメより一回り大きく、化石をマイクロCTで調べたところ、大脳が始祖鳥より大きいと推定される一方、飛行の制御を担う小脳は現代の鳥類ほど発達していなかった。
現代の鳥類の祖先とは約1億3000万年前に分かれたエナンティオルニス類の新属新種とされ、学名は化石発見者の名前やギリシャ神話の女神から「ナバオルニス・ヘスティアエ」と名付けられた。
鳥類は羽毛が生えた小柄な恐竜から進化したと考えられ、現代のカラスやオウムは賢いことが知られる。頭骨の内部構造が分かる化石が見つかる例は少なく、脳を哺乳類並みに進化させた謎を解く貴重な手掛かりになるという。
[時事通信社]