上場地方銀行・グループ73社の2024年9月中間決算が14日、出そろった。連結純利益(一部は単体)の合計は前年同期比17.6%増の6590億円。日銀の利上げによる金利上昇などで貸出金利息が増加するなど、本業で業績の改善が進んだ。7割超に当たる54社が増益・黒字転換となり、4割程度が通期の業績予想を引き上げた。
銀行単体ベース(90行)の純利益の合計は26.0%増で、64行が増益・黒字転換となった。貸出金利を引き上げる動きが広まったほか、設備投資に向けた企業の資金需要も堅調で、資金利益は72行でプラスとなり、合計で9.5%増加。「日銀の利上げで市場金利全般が上昇し、貸出金や有価証券の利回りが増加した」(八十二銀行)といった声が上がった。
国内外の金利上昇による価格低下で地銀経営を圧迫していた国債等関係損益については、赤字幅が28.7%縮小した。中間決算発表と同時に連結純利益など業績予想を上方修正した銀行・グループは29社に上った。
ただ、金利上昇は預金利息の上昇という形でコスト増につながり、経営基盤の弱い地銀には痛手となる。中間決算では17社が連結で減益となったほか、福島銀行は純損益が赤字に転落した。
[時事通信社]