【リマ時事】ペルーの首都リマで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の締めくくりとして16日に行われた集合写真の撮影で、中国の習近平国家主席が前列の中央近くに陣取ったのに対し、来年1月での退任が決まっているバイデン米大統領はひっそりと後列にいた。図らずも、両国首脳の置かれた現状が示された格好だ。
習主席は撮影で議長国ペルーのボルアルテ大統領の隣に立ち、スポットライトを浴びた。ペルーでは首脳会議開幕前日の14日、中国資本主導で建設された巨大港の開港式典が行われ、ボルアルテ氏と共に祝福。この港を通じてアジアと南米の海上輸送路が直接結ばれる「歴史的な瞬間」(ボルアルテ氏)で、ペルーの国を挙げて歓迎された。
これに対し、再選を目指した米大統領選の途中で撤退に追い込まれたバイデン氏は、レームダック(死に体)と受け止められている。首脳会議も米国のトランプ次期大統領を見据え、保護主義をけん制する宣言を採択した。米紙ニューヨーク・ポストは「トランプ氏を招待すべきだった。習氏と一緒に写真の中央にいたはずだ」という米議員の声を紹介した。
一方、石破茂首相は首脳会議には出席したが、写真に姿は見えない。今年9月に86歳で死去したペルーのフジモリ元大統領の墓参りを優先した。
[時事通信社]